2003 Fiscal Year Annual Research Report
タウ蛋白質の立体構造解析に基づくタングル形成機構の解明
Project/Area Number |
13680752
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
石田 寿昌 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (00111021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕浦 克彦 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (10278591)
友尾 幸司 大阪薬科大学, 薬学部, 講師 (70257898)
尹 康子 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (50257896)
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Keywords | タウ蛋白質 / タングル形成機構 / 立体構造解析 / マイクロチュブル結合ドメイン / X-線結晶解析 / NMR / 分子計算 / スペクトル解析 |
Research Abstract |
1)マイクロチュブル結合ドメインのX線結晶構造解析 平成14年度で得られたマイクロチュブル結合ドメインのGST融合蛋白質結晶の構造解析を試みた。2Å分解能までのX-線回折データはSpring8で測定した。結晶は正方晶系に属し、空間群はP4_32_12、格子定数はa=b=92.24Å,c=57.68Åである。構造解析はGSTの立体構造情報を用い、分子置換法により行った。構造の精密化は最小自乗法により行った。現時点での信頼度因子はR=0.258である。解析の結果、GST蛋白の立体構造は明瞭であるのに対し、タウ蛋白のマイクロチュブル結合ドメインは、全体として伸長構造の2量体構造を形成しているものの明瞭に各原子位置を決定するに至っていない。これは、ドメイン領域の分子揺らぎが大きいことに起因しており、タウ蛋白のタングル形成のコア部分がこのドメイン領域であることから、構造揺らぎとタングル形成との密接な関係とその重要性を明確にすることが出来た。 2)マイクロチュブル結合ドメインペプチドの溶液構造解析 成人のタウ蛋白において、マイクロチュブル結合ドメインは類似の32-33残基のアミノ酸配列よりなる4回繰り返し構造(R1-R4)からなっている。各繰り返し構造の構揺らぎを解明するために、R1-R4ペプチドについてTFE溶液中での立体構造を核磁気共鳴およびエネルギー計算により解析した。その結果、R1,R2,R4は全体的にヘリックス構造をとるのに対し、R3は伸長とヘリックス構造が共存する特徴的な構造を示した。また、いずれの2次構造もそのアミノ酸側鎖は両親媒性の分布を示した。このことは、タウ蛋白のPHF形成において、隣接するマイクロチュブル結合ドメイン間同士での交互の疎水・親水相互作用により分子会合によることを示している。 3)マイクロチュブル結合ドメイン間の相互作用 マイクロチュブル結合ドメイン間の相互作用について、蛍光法、光散乱法、表面プラズモン共鳴法、電位顕微鏡測定により検討した。その結果、タウ蛋白質のPHF形成機構に関して、マイクロチュブレ結合ドメインが核となる各繰り返し構造依存的会合機構モデルを提示することに成功した。即ち、R3の伸長構造間の会合が起爆剤となって、R3のヘリックス構造、ついでR2のヘリックス構造、そして最後にR1,R4のヘリックス構造間で分子会合が生じ、開いた服をジッパで閉じるように、PHFのコア構造が形成されるモデルで、今後のPHF形成機構解明において重要な知見である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Minoura, K.Tomoo, T.Ishida, H.Hasegawa, M.Sasaki, T.Taniguchi: "Solvent-dependent conformation of the third repeat fragment in the microtubule-binding domain of tau protein, analyzed by 1H-NMR spectroscopy and molecular modeling calculation"Bull.Chem.Soc.Jpn. 76. 1617-1624 (2003)
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[Publications] Y.In, H.Ohishi, T.Ishida, Y.Igarashi: "Concerted interaction between conjugated double bond CHs and multiple OHs in polyene macrolide antibiotic chainin : weak =C-H...O interactions responsible for intrinsic molecular assembly"Chem Commun. 2003. 1692-1693 (2003)
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[Publications] T.-M.Yao, K.Tomoo, T.Ishida, H.Hasegawa, M.Sasaki, T.Taniguchi: "Aggregation analysis of the microtubule binding domain in tau protein by spectroscopic methods"J.Biochem.. 134. 91-99 (2003)
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[Publications] T.-M.Yao, K.Tomoo, T.Ishida, M.Sumida, M.Sasaki, T.Taniguchi: "Aggregation analysis of microtubule binding domain in tau protein by spectroscopic methods"Peptide Science. 2002. 249-252 (2003)
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[Publications] K.Minoura, T.-M.Yao, K.Tomoo, M.Sumida, M.Sasaki, T.Taniguchi, T.Ishida: "Different associational and conformational behaviors between the second and third repeat fragments in the tau microtubule-binding domain"Eur.J.Biochem.. 271. 545-552 (2004)
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[Publications] S.Hiraoka, T.-M.Yao, K.Minoura, K.Tomoo, M.Sumida, T.Taniguchi, T.Ishida: "Conformational transition state is responsible for assembly of microtubule-binding domain of tau protein"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 315. 659-663 (2004)