2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNA結合蛋白質スライディングにおけるGroove-trackingの1分子検証
Project/Area Number |
13680753
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
十川 久美子 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助手 (20291073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋本 伸雄 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (20127658)
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Keywords | DNA結合蛋白質 / 非特異的複合体 / スライディング / RNAポリメラーゼ / 光ピンセット / 1分子操作 / 蛍光観察 |
Research Abstract |
DNA結合蛋白質であるRNAポリメラーゼが、プロモータに結合する過程でDNA上をスライディングすることが知られている。このとき、DNAのらせんに沿って動く(groove-tracking)ことを検証するために、DNA1分子操作の手法を用いたアッセイ系を構築した。RNAポリメラーゼをガラス表面に固定し、1本のDNAをなぞりながら動かし、そのときのDNAの回転を検出する、これが実験系のストラテジーである。ガラスを一定速度で動かしたとき、両者の相対的な並進運動により、groove-trackingに伴う回転があれば、DNAの一端に固定したビーズが回転する。微少な蛍光ビーズを1つ貼り付けておくと、蛍光顕微鏡下で、DNAの回転を蛍光ビーズの動きとして検出することができる。 DNAは水溶液中では、糸鞠状になったり、ほぐれたりという動きをしている。このアッセイでは伸展した状態でなければ、固定されたRNAポリメラーゼ分子に接触できない。そこで、DNAを伸展させるために、ビーズに結合していない方の自由端に強く結合する配列を加え、RNAポリメラーゼを介してガラス表面に固定した。 ステージを約10nm/secで動かすと、時計回り、反時計回りの混ざった赤道面上に限られた回転が得られた。DNAのないビーズで同様の実験を行ったところ、蛍光ビーズは一面上に限られずランダムに動き、ビーズが回転ブラウン運動をしていることを示した。これらの結果は、DNAがRNAポリメラーゼと相互作用することにより回転していることを示している。 以上のように、我々の実験結果は、RNAポリメラーゼがgroove-trackingしながらDNAのらせんに沿ってスライディングする事を示す。
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Research Products
(1 results)