2001 Fiscal Year Annual Research Report
ジーンターゲティングによるウェルナーヘリケース遺伝子ファミリーの機能解析
Project/Area Number |
13680755
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 稔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20311558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 洋志 , 助手 (00241555)
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Keywords | ゲノム / 老化 / 癌 / 遺伝子 |
Research Abstract |
現在、RecQタイプのDNAヘリケース遺伝子ファミリーは、少なくともヒト及びマウスにおいて5種類以上のメンバーからなる事が知られ、そのうちWRN、BLM、RecQ4については、いずれも染色体異常を伴うヒト遺伝子疾患の原因遺伝子であると同定されている。しかし、これらの疾患が示す老化や発癌に関連する臨床像を説明し得る作用機構は未だほとんど不明である。そこで、WRN、RecQ1、RecQ4,RecQ5の4種類についてノックアウトマウスを作製し、生体内における機能・役割分担の解析を行い、以下にこれまでに得られた知見及び今後の課題を要約する。 Wrn KO-Miceは、1年以上の経過観察や病理組織学的解析では、老化徴候の著変や腫瘍発生の増加は観察されておらず、成長及び生存日数に顕著な差は認められなかった。マウス胎仔線維芽細胞(MEF)を用いて細胞増殖活性を調べたところ、(Wrn-/-)MEFの増殖活性は野生型の約60%の増殖にとどまり、(Wrn+/-)MEFではその中間の活性を示した。 RecQ4ヌルタイプのF1ヘテロマウス同士の交配によるF2マウスには(Q4-/-)マウスは存在せず、着床前後の胎生3.5〜6.5日に致死であることが判明した。胎生3.5日に採取した(Q4-/-)胚盤胞を培養した結果、内部細胞塊や栄養胚葉細胞の増殖が著しく低下しているのが観察され、初期発生に重要な役割を持つことが明らかになった。 Q1 KO-Miceはメンデル則に従って得られ、これまでのところ特に異常は認められない。生体内での発現を調べた結果、精母細胞や卵母細胞などの生殖細胞で高発現で認められた他に、脳の海馬及び小脳のプルキンエ細胞層といった神経系での発現も観察された。 Q5は現在F1ヘテロマウスまで得られており,ホモ変異マウスの樹立・解析は今後の課題であり、継続して検討していく必要がある。
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