2002 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体関連分解を促進する、新規蛋白質EDEMの機能解析
Project/Area Number |
13680780
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
細川 暢子 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (00263153)
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Keywords | 小胞体関連分解 / 品質管理機構 / 糖タンパク質 / 小胞体マンノシダーゼ / 小胞体 |
Research Abstract |
本研究では、昨年度に引き続いて、小胞体関連分解(ERAD : ER associated degradation)を促進する機能をもつ、mouse新規遺伝子EDEM (ER degradation enhancing α-mannosidase-like protein)の機能解析を進めている。 小胞体において、タンパク質が何らかの機序でミスフォールドした場合には、これらの蛋白質は小胞体から細胞質に逆行輸送されたのち、細胞質に存在するプロテアソームによって分解され、この機構はERADと呼ばれている。糖タンパク質がERADによって分解される場合には、N型糖鎖のマンノースのトリミングが分解のシグナルになる事が知られている。私達はERADのモデル基質として、小胞体内でミスフォールドするα1-アンチトリプシンのNHK亜型を用いて実験している。NHKはC末端近傍にCys残基をひとつもつので、ジスルフィド結合を形成してダイマーを作る可能性がある。今回私達は、NHKが小胞体内で実際にダイマーを形成すること、EDEMを共発現させるとこのダイマー形成が阻害されることを見いだした。ミスフォールドしたタンパク質がダイマーを形成すると、細胞質への逆行輸送の効率が悪くなると予想される。一方でEDEMは、正常型のα1-アンチトリプシンの分泌や分解には影響を及ぼさなかった。これらの結果から、EDEMはミスフォールドした糖タンパク質を認識して結合し、分解可能な状態に保つ、シャペロン様の機能をもつのではないかと考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshida, H. et al.: "Mammalian IRE1-mediated transcriptional induction program is essential for ER-associated degradation of misfolded glycoproteins"Molecular Cell. (In press). (2003)
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[Publications] Oda, Y.et al.: "EDEM as an acceptor of terminally misfolded glycoproteins released from calnexin"Science. 299. 1394-1397 (2003)
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[Publications] Yasuda, K. et al.: "The Kruppel-like factor Zf9 and proteins in the Sp1 family regulate the expression of HSP47, a collagen-specific molecular chaperone"The Journal of Biological Chemistry. 277. 44613-44622 (2002)
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[Publications] Sato, K. et al.: "Type XXVI collagen, a new member of the collagen family, is specifically expressed in the testis and ovary"The Journal of Biological Chemistry. 277. 37678-37684 (2002)