2001 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリンA/cdk2の染色体凝縮に対する機能解析
Project/Area Number |
13680788
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古野 伸明 九州大学, 理学研究院, 助手 (80219120)
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Keywords | 細胞周期 / アフリカツメガエル / サイクリンA / Cdk2 |
Research Abstract |
今までの我々の結果から、培養細胞においては染色体凝縮がMPFによるのではなくむしろサイクリンA/cdk2であること、また、MPFの活性化にもサイクリンA(orE)/cdk2が必要であることが強く示唆された。そこで、in vitroでS期、M期を交互にくり返すカエルの卵抽出液を用いて、サイクリンA/cdk2(またはサイクリンE/cddk2;カエルの初期胚では、サイクリンA/cdk2の機能がサイクリンE/cdk2で肩代わりされているという報告があるので)の活性とMPF活性・染色体凝縮の関係を明らかにするため解析を進めている。そのため昆虫細胞のタンパク質発現系を用いて、サイクリンA/cdk2(orサイクリンE/Cdk2の複合体を精製している。しかしながら、技術的な問題からまだ複合体としての精製に成功してない。それで現在、サイクリンA(orE)/cdk2のインヒビターであるp21(cip)タンパク質を大腸菌で作製・精製して、それをカエルの2細胞期の両割球に注入し、MPFの活性化・染色体の凝縮にサイクリンA/Cdk2(orサイクリンE/CDK2)が必要かどうかを、in vivoで調べている。p21(Cip)をサイクリンA(or E)/Cdk2のみを阻害する濃度になるように受精卵に注入すると、細胞分裂は停止した。そして、この分裂阻害効果はp21(Cip)濃度に依存的であった。この時、生化学的にMPFの活性を調べると活性化していなかった。そして、このMPF活性化の阻害効果も、P21(Cip)濃度依存的であった。この結果から、初期胚において、in vivoにおいてもサイクリンA(or E)/Cdk2の活性が、MPFの活性化に必要であることが派唆された。現在、この分裂の停止した胚の染色体の様子を、切片を作製して調べている。
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