2002 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリンA/cdK2の染色体凝縮に対する機能解析
Project/Area Number |
13680788
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古野 伸明 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80219120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 賢 鳥取大学, 医学部, 助手 (30325790)
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Keywords | サイクリン / 染色体凝縮 / アフリカツメガエル / サイクリンB2 / 卵母細胞 / 紡錘体 / MPF / 中心体 |
Research Abstract |
複製されたDNAが娘細胞に正確に分配されるためには、DNAが凝縮して染色体構造をとり、紡錘体が正確に構築されることが必須である。今回、中心体の複製・分離にサイクリンB2が関与する事を見い出したので報告する。 サイクリンB2のN末をアフリカツメガエルの卵母細胞に過剰発現させると第一減数分裂時に正常な紡錘体が形成されず単極の紡錘体が形成された。これはサイクリンB1のN末を過剰発現させた時には観察されず、サイクリンB2に特異的であった。次にそのN末の部分にはnuclear export signal (NES)がある事が報告されたので、紡錘体形成にそのNESが関与するかどうかをその配列に点突然変異を導入して調べた所、正常な紡錘体が形成された。このことから、NESは紡錘体形成に関与しない事がわかり、それ以外の未知の配列が関与する事が示唆された。さらにサイクリンB2のN末の欠失突然変異を用いた実験から、サイクリンB2のN末115番目から121番目の7アミノ酸が正常な紡錘体形成に必要である事を見い出した。次に、この7アミノ酸のみが紡錘体形成に関与しているかどうか調べるため、この7アミノ酸のみをGSTにつないで過剰発現させたり、ペプチドを卵母細胞に導入した。しかしながら、単極の紡錘体は形成されなかった。これらの結果から、この7アミノ酸は正常な紡錘体形成に必要ではあるが、これの過剰発現で紡錘体が正常である事から、それ以外の何らかの配列が必要である事が明らかになった。さらに受精後の胚にたいして同様の実験を行った所、受精後の分裂にも紡錘体形成にサイクリンB2のN末が関与する事が示された。中心体複製にはサイクリンA/cdk2が関与する事を考えると、中心体の分離にもサイクリンA/Cdk2がモータータンパク質やサイクリンB2のリン酸化を介して関与している可能性があると考えている。
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Research Products
(1 results)