2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680805
|
Research Institution | RIKEN (The Institute of Physical and Chemical Research) |
Principal Investigator |
日比 正彦 理化学研究所, 体軸形成研究チーム, チームリーダー (40273627)
|
Keywords | 体軸形成 / ゼブラフイツシュ / ホメオボックス遺伝子 / 転写抑制因子 / 背側オーガナイザー / BMP / フィードバック / 頭部形成 |
Research Abstract |
魚類・両生類における体軸形成のプログラムは、受精直後より開始する。卵黄植物極に存在すると考えられている背側化決定因子が、微小管束にそって背側胚盤細胞に移動し、Wnt細胞内シグナルを活性化する。Wntシグナルは、β-cateninの核への集積を誘導し、背側特異的遺伝子の発現を引き起こす。背側特異的遺伝子の多くは、背側オーガナイザーの誘導・形成に関与している。オーガナイザーからの細胞間シグナルは、腹側からのシグナルと拮抗し、中内胚葉の背腹軸の形成・神経外胚葉の誘導を引き起こす。我々は、ゼブラフィッシュにおいて、母性Wntシグナルの下流で制御され、オーガナイザー誘導に関与するホメオボックス遺伝子bozozokの研究を行ってきた。本研究では、Bozozok蛋白が、アミノ末端に存在するEh1モチーフを介して転写共因子Grouchoと会合し、転写抑制因子として機能していることを見出した。さらに、Bozozokによって転写が抑制される新規ホメオボックス遺伝子vedの単離を行なった。Vedも転写抑制因子として機能し、類似の蛋白であるVox, Ventと重複的に機能し、オーガナイザー遺伝子の発現を抑制していることを明らかにした。このことは、Ved, Vox, Ventによるオーガナイザー形成の抑制を、Bozozokが脱抑制することで、オーガナイザー形成を制御していることを示している。また、背側形成に異常を示すゼブラフィッシュ変異体ogonのポジショナルクローニングを行い、sizzledが責任遺伝子であることを明らかにした。sizzledは、他の背側化因子と異なり、BMPシグナル依存性に腹側に発現し、Wnt8シグナル非依存性にBMPシグナルを抑制していると考えられた。さらに、前脳特異的zinc finger遺伝子fez及びfez-likeのノックアウトマウスを作成した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Shimizu, T., Yamanaka, Y., Nojima, H., Yabe, T., Hibi, M., Hirano, T.: "A novel repressor-type homeobox gene, ved, is involved in dharma/bozozok-mediated dorsal organizer formation in zebrafish"Mechanisms of Development. 118. 125-138 (2002)
-
[Publications] Levkowitz, G., Zeller, J., Sirotkin, H.I., French, D., Schilbach, S., Hashimoto, H., Hibi, M., Talbot, W.S., Rosenthal.A.: "Zinc finger protein too few controls the development of monoaminergic neurons"Nature Neuroscience. 6. 28-33 (2003)
-
[Publications] Hibi, M., Hirano, T., Dawid, I.B.: "Organizer formation and function in "Pattern Formation in Zebrafish" Results and Problems in Cell Differatiation Vol. 40"Edited by L. Solnica-Krezel. Springer-Verlag. 48-71 (2002)