2002 Fiscal Year Annual Research Report
ツメガエル卵片を用いた遺伝子機能の新しい解析法による体軸形成機構の解明
Project/Area Number |
13680810
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂井 雅夫 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (40162268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西松 伸一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20222185)
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Keywords | ゼノパス / アフリカツメガエル / 細胞質デターミナント / 遺伝子発現 / 中胚葉 / 背側 / Veg-T / Xwnt-8 |
Research Abstract |
動物の初期発生は、様々な遺伝子の産物が、遺伝子発現に関して、相互に複雑な制御をかけることによって進行する。遺伝子の働きは、mRNAの胚への注入によって調べることができるが、注入される胚での遺伝子発現がバックグラウンドとして存在するので、評価がむずかしかった。私達はゼノパスの卵片という、バックグラウンドの遺伝子発現がほとんどない実験系を開発し、これを使って研究を進めている。 これまでに明らかになったのは次のようなことである。 1.原腸陥入する卵片の細胞質を注入することにより、表皮にしかならない卵片にVeg-T mRNAが導入できた。細胞質注入胚では原腸陥入が引き起こされ、内胚葉マーカー、中胚葉マーカーが発現したが、背側・神経マーカーは発現しなかった。背側デターミナントを代替する因子であるXwnt-8 mRNAを表皮にしかならない卵片に注入しても背側・神経マーカーは発現しなかったが、Xwnt-8 mRNAを原腸陥入する卵片の細胞質、またはVeg-T mRNAとともに注入することで、背側の遺伝子発現が起こり、また、目や筋肉を含む体軸構造が形成された。これは、背側形成に、二つの因子の共働が必要であることを示す、発生生物学にとってきわめて重要な結果である。この結果は現在論文投稿準備中である。 2.両生類のオーガナイザーはそのままでは表皮にしかならない細胞群に対して作用させたときに、前方の神経構造のみを作る。一方、反応系が、腹側の内・中胚葉を含むときには後方の神経構造も作る。このことは、オーガナイザーと外胚葉には後方を作る活性がなく、腹側の内・中胚葉に、オーガナイザーと共働して後方をつくる活性があることを示唆している。オーガナイザーとともに胚の様々な領域を移植する実験により、後方化活性は胚の植物半球全体に存在することが示された(Fujii et al., Dev.Biol.)。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hidefumi Fujii, Takeharu Nagai, Hiroki Shirasawa, Jun-ya Doi, Kinya Yasui, Shin-ichirou Nishimatsu, Hiroyuki Takeda, Masao Sakai: "Anteroposterior patterning in Xenopus embryos : Egg fragment assay system revealed a synergy of dorsalizing and posteriorizing embryonic domains"Developmental Biology. 252. 15-30 (2002)