2001 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエルの胞胚中期に起こる転写開始機構に関する研究
Project/Area Number |
13680811
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
木下 勉 関西学院大学, 理学部, 教授 (30161532)
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Keywords | アフリカツメガエル / 中期胞胚遷移 / 遺伝子発現 / Xbrachyury / Notchシグナル / 背方化シグナル |
Research Abstract |
XbraプロモーターをプローブとしてMBT直後に起こるザイゴテイックな転写開始の分子機構を検討した結果、現在までに以下の結果が得られている。 (1)Xbraプロモーターの新規転写抑制領域を含む200bpのDNA断片を動物半球へ注入し、転写抑制因子の吸収実験を行った結果、Xbraの発現は動物半球に広がるように検出されたが、発現時期が早まることはなかった。この吸収効果は200bpのうち上流側100bpにみられた。この抑制領域をプローブとして原腸胚期の核抽出液を使ってゲルシフトアッセイを行った結果、複数のシフトバンドを検出した。 (2)Xbra3の転写開始点から上流2400bpのプロモーター領域を解析した結果、Xbraの場合と類似した塩基配列を含む転写抑制領域の存在が確認された。また、XbraおよびXbra3プロモーターの削りこみによる転写開始時期のずれを検討した結果、TCF/Lef1サイト、XSu(H)サイトを削除したコンストラクトでもMBT直後に転写開始を示すことがわかった。 (3)MBT直後に起こるXSu(H)タンパクの核移行を解析した結果、核移行の時期はXDelta1、NICDを強制発現してもMBTより早まることはなく、XSu(H)が核移行しても標的遺伝子であるXESR1の転写は開始されないことから、XSu(H)がMBT直後に示す核移行はNotchシグナルと独立して起こり、核移行後は標的遺伝子の転写抑制に関与する可能性が示唆された。 (4)ザイゴティックな遺伝子発現とNotchシグナルとの関係を検討するために、UV処理により繊毛母細胞が過剰形成される原因を検討した。その結果、UV処理胚における繊毛母細胞の過剰形成はNotch受容体の活性化阻害により起こることが明らかになり、Notchの活性化には背方化(Wnt)シグナルが必須である可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Kuriyama, T.Kinoshita: "Xerl, a novel CNS-specific secretory protein, establishes the boundary between neural plate and neural crest"Int.J.Dev.Biol. 45. 845-852 (2001)
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[Publications] T.Gtou, K.Hasegawa, T.Kinoshita, H.Y.Kubota: "A novel POZ/zinc finger protein, champignon, interferes with gastrulation movements in Xenopus"Dev.Dynam.. 221. 14-25 (2001)
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[Publications] N.Kishi et al.: "Murine homologs of deltex define a novel gene family involved in vertebrate Notch signaling and neurogenesis"Int.J.Dev.Neurosci.. 19. 21-35 (2001)
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[Publications] T.Kiyota et al.: "X-Serrate-1 is involved in primary neurogenesis in Xenopus laevis in a complementary manner with X-Delta-1"Develop.Growth Differ.. 43. 25-31 (2001)