2002 Fiscal Year Annual Research Report
嗅球情報単位である嗅球糸球体、小巣についての定量的、定性的解析
Project/Area Number |
13680823
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小坂 克子 九州大学, 医学部, 助教授 (60202058)
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Keywords | 解剖学 / 細胞・組織 / 神経科学 / 脳・神経 / 共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は齧歯目と食虫目をはじめとする様々な哺乳類を比較しながら、嗅球における嗅入力、投射ニューロン、介在ニューロンの相互結合関係を、定性的、定量的に詳細に解明することで、嗅覚情報処理の初段階の構造的基盤を明らかにすることである。齧歯目のラット、マウス、食虫目ではジャコウネズミ、ハリネズミ、モグラ、さらにツパイ目のツパイ、翼手目のユビナガコウモリを試料として、比較解剖学的に検討をおこなった。上記中、ジャコウネズミとモグラのみに、小巣体が存在し、他の種類には存在しなかった。モグラ、ハリネズミ、ツパイでは糸球体の下部に、Ca結合蛋白カルビンディンD28K陽性の小ニューロンが数個集まっていた。それらの部位には、必ず、嗅神経に特異的なolfactory marker proteinでラベルされた、粒子状やクラスター状に終わる細い神経突起が伸びだしてきていることが、共焦点顕微鏡の観察からわかった。嗅神経層、糸球体層に比べ著しく細く量の少ない神経軸索であるが、糸球体層と連絡していた。モグラではごく少量、ハリネズミでは糸球体層直下に散在しており、ツパイにおいて、まれではあるが、クラスター状に存在し、ミニ糸球体ともいえる分布をしていた。まだ、それらの意味は不明である。 また、齧歯目のラットにおいて、嗅球糸球体の介在ニューロンが、嗅入力の有無と化学的性質により、嗅入力を受けるGABA陽性のタイプ1と嗅入力を受けないCa結合蛋白陽性のタイプ2のグループに、大きく分かれることを確認していたので、傍糸球体細胞グループの検証を上記の動物において行った。その結果げっ歯目と同様、他の哺乳類においても上記の法則が確認された。また、糸球体内のさらなる形態解析として、齧歯目のラットにおいて電子顕微鏡による観察から僧帽細胞とギャップ結合をつくる傍糸球体細胞は、嗅入力を受けるが、GABA陽性ではなく、これまでの免疫細胞化学的解析から捉えられていなかったタイプであることが判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kosaka K., Kosaka T: "Nidus and tasseled cell : Distinctive neuronal organization of the main olfactory bulb of the laboratory musk shrew (Suncus murinus)"J.Comp.Neurol. 430. 542-561 (2001)
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[Publications] Kosaka K., Aika Y., Toida K., Kosaka T: "Structure of intraglomerular dendritic tufts of mitral cells and their contacts with olfactory nerve terminals and calbindin-immunoreactive type 2 periglomerular neurons"J.Comp.Neurol. 440. 219-235 (2001)
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[Publications] Kosaka T., Kosaka K: "Neuronal gap junctions in the rat main olfactory bulb, with special reference to intraglomerular gap junctions"Neuroscience Research. 45. 189-209 (2003)
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[Publications] 小坂 克子: "'嗅球糸球体の定性的、定量的形態解析',ブレインサイエンス・レビュー 2001"医学書院/学術雑誌. 292 (2001)
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[Publications] Toida K., Kosaka K., Aika Y., Kosaka T: "Catecholamine Metabolism : From Molecular Understanding to Clinical Diagnosis and Treatment"Kluwer Academic/Plenum Publishers. 3 (2002)