2002 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロプシン特異的インヒビター(SPI3)によるニューロプシン制御機構の解明
Project/Area Number |
13680843
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Research Institution | NARA INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
加藤 啓子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90252684)
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Keywords | セリンプロテアーゼ / インヒビター / 神経可塑性 / 基質特異性 / 分泌 / in situ hybridization / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
多様性に富む神経の可塑的変化を語るには、たんぱく質の翻訳後修飾の作用を考える必要がある。そこで本申請者は、細胞外や細胞膜上に位置するプロテアーゼ修飾に着目し、マウス脳を用いて、個体レベルから細胞・分子レベルにわたる神経可塑性の理解を追及してきた。特に、S1(clan SA)セリンプロテアーゼ・ニューロプシンは、海馬・扁桃体に発現し、長期増強への関与も示唆されており、脳内における本酵素の機能発現を明らかにすることは、神経が可塑性を獲得する機序を解明することにつながる。本研究期間内に、本申請者は、ニューロプシンの脳内・内在性特異的インヒビターが、Serpinb6(SPI3)であることを生化学的・形態学的に明らかにし、さらに皮膚においても、ニューロプシンの特異的インヒビターがSerpinb6であることをつきとめた。脳における知見は、本申請提出後論文に掲載された。一方で、ニューロプシンは、先に述べたようにS1(clan SA)セリンプロテアーゼに属し、同じファミリーに属する他の酵素と構造上酷似しているにもかかわらず、独立した基質特異性を持ち、特異的なインヒビターによりその活性は厳密に制御される。そこで、Serpinb6によるニューロプシン制御機構を解明するためには、ニューロプシン基質結合部位周囲に位置するループ構造における構造機能相関を知る必要があると考え、ニューロプシンの基質特異性と刺激応答性分泌について検討した。その結果、ニューロプシンに付加されているN-結合型糖鎖が、基質特異性及び刺激応答性分泌に影響する知見等を得、論文に掲載されるに至った。さらに本申請者は、Serpinb6の脳内発現をmRNAレベル・蛋白質レベルにわたり、ニューロプシンの発現と詳細に比較検討した。その結果、ニューロプシンの発現がまったく観察されない後脳の神経細胞において、Serpinb6は強い発現を示し、Serpinb6が認識する新たなプロテアーゼの存在を提示し、この結果も論文に掲載されるに至った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Matsuhashi, H., Horii Y., Kato, K.: "Region-specific and epileptogenic-dependent expression of six subtypes of α2, 3-siayltransferase in the adult mouse brain"J Neurochem. 84. 53-66 (2003)
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[Publications] Kishi T., Matsuhashi H., Bird, P.I., Kato, K.: "Distribution of serine proteinase inhibitor, clade B, member 6 (Serpinb6) in the adult mouse brain"Gene Expression Patterns. 1. 175-180 (2002)
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[Publications] Oka T., Hakoshima, T., Itakura, M., Yamamori, S., Takahashi, M., Hashimoto, Y., Shiosaka S., Kato K.: "Role of loop structures of neuropsin in activity of serine protease and regulated secretion"J Biol Chem. 277. 14724-14730 (2002)
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[Publications] Oka, T., Akisada, M., Okabe, A., Sakurai, K., Shiosaka, S., Kato, K.: "Extracellular serine protease neuropsin (KLK8) modulates neurite outgrowth and fasciculation of mouse hippocampal neurons in culture"Neurosci. Lett. 321. 141-144 (2002)
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[Publications] Kato, K., et al.: "Serine proteinase inhibitor 3 and murinoglobulin I are potent inhibitors of neuropsin in adult mouse brain"J Biol Chem. 276. 14562-14571 (2001)
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[Publications] Kato, K., et al.: "Dendritic aberrations in the hippocampal granular layer and the amygdalohippocampal area following kindled-seizures"Brain Res. 901. 281-295 (2001)