2001 Fiscal Year Annual Research Report
ノルエピネフリン輸送体のアイソフォーム間相互作用による細胞膜発現の調節と機能修飾
Project/Area Number |
13680844
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北山 滋雄 広島大学, 歯学部, 助教授 (80177873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 克也 広島大学, 歯学部, 講師 (10116684)
土肥 敏博 広島大学, 歯学部, 教授 (00034182)
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Keywords | ノルエピネフリン / トランスポーター / 神経伝達物質 / 選択的スプライシング / 抗うつ薬 |
Research Abstract |
神経伝達物質トランスポーターは神経終末より遊離された神経伝達物質を再取込みすることによりそのシナプス伝達を速やかに終結させる。我々はこれまでにラット脳に発現するノルエピネフリントランスポーター(NET)のアイソフォームを同定し、これらが選択的スプライシングにより生じることを明らかにした。本研究ではヒトNETの新規アイソフォームを探索し、その生理的役割と発現の動態を調べた。 ヒト神経芽細胞株SK-N-SH、ヒト胎盤RNAより9種のアイソフォーム(hNETa〜hNETi)を同定した。それらのcDNAをクローニングし、塩基配列の解析とRT-PCR,ノーザンによる発現解析の結果、これらが選択的スプライシングにより生じることが明らかとなった。COS細胞への一過性発現ではこれらのうち2種のみ(hNETa, hNETb)が機能的に輸送活性を発揮した。hNETa, hNETb, hNETcはそれぞれエキソン14、15の選択的スプライシングにより生じ、C末アミノ酸が異なる。COS細胞でのhNETa, hNETb, hNETcの発現をNET特異的抗体で免疫染色して調べた結果、hNETa, hNETbは細胞膜に存在したのに対し、輸送機能が認められないhNETcはそのほとんどが細胞内に留まり細胞膜へ移行していなかった。これらの結果からC末領域が細胞膜発現に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 hNETc〜hNETiをhNETaあるいはhNETbとCOS細胞で共発現させると、いずれも程度の差はあるがドミナントネガティブに働き相互作用することが明らかとなった。今後はこのNETアイソフォーム間での相互作用の生理的意味とそのメカニズムをさらに詳しく検討する予定である。
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Research Products
(1 results)