2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内発現抗体を用いた神経変性疾患、ハンチントン病の治療法に関する研究
Project/Area Number |
13680855
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石黒 啓司 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (20211039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 浩秀 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (30247663)
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Keywords | ハンチントン病 / CAGリピート病 / 細胞内発現抗体 / 遺伝子治療 / ポリグルタミン病 |
Research Abstract |
ハンチントン病は原因遺伝子のエクソン1に存在するCAGリピートの異常伸長によって起こる神経変性疾患である。本研究では、ハンチントン病モデルマウスの解析から神経細胞内に起こる異常反応(ポリグルタミン鎖による核内凝集体形成)に対して、細胞内で活性のある抗体分子を用いて遺伝子治療のツール作製を目的としている。すなわち、細胞内発現抗体を用いて核内凝集体の形成阻止を行う。細胞内で活性を持つ抗体は1本鎖の抗体分子を遺伝子として取得する必要がある。今年度は、ハンチントン病原因遺伝子転写産物であるハンチンチンに対する1本鎖抗体の取得を目的として、抗原の作製を中心に行ってきた。抗原はこのゲノム遺伝子のエクソン12と13の領域に相当しており、アポトーシス関連蛋白分解酵素であるカスパーゼ1もしくは3の切断部位が存在している。精製に成功した蛋白質を用いて、人工抗体ライブラリー(1本鎖抗体であるラクダ抗体ライブラリー)から90クローンの抗体を取得した。これらの抗体の遺伝子配列を解析したところ、7種類の抗体遺伝子から構成されることが明らかになった。そのうち、5種類の抗体は酵素免疫測定法で観察すると比較的強い抗原結合反応性を持ち、残りの2種類は比較的弱かった。これらの抗体はウエスタンブロット法等の細胞外反応系では結合陽性反応がないことから特定の立体構造を認識していることが考えられた。細胞外での研究結果を細胞内に持ち込むために、発現ベクターにそれぞれの遺伝子を組み込んで、ハンチンチン結合活性を観察できる反応系を作製した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiroshi Ishiguro: "Age-dependent and tissue-specific CAG repeat instability occurs in mouse knock-in for a mutant Huntington's disease gene"Journal of Neuroscience Research. 65. 289-297 (2001)
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[Publications] 石黒 啓司: "ハンチントン病モデル動物による神経変性疾患研究の現状"脳と神経. 53. 829-837 (2001)
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[Publications] Tsuyoshi Yoshinaka: "Identification and characterization of novel mouse and human ADAM33s with potential metalloprotease activity"Gene. 282. 227-236 (2002)
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[Publications] Masanori Asakura: "Cardiac hypertrophy is inhibited by antagonism of ADAM12 processing of HB-EGF : Metalloproteinase inhibitors as a new therapy"Nature Medicine. 8. 35-40 (2002)
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[Publications] Naohiro Ichino: "Increase of transcriptional levels of egr-1 and nur77 genes due to both nicotine treatment and withdrawal in pheochromocytoma cells."Journal of Neural Transmission. (in-press).