2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680864
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒柳 秀人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30323702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 繁男 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60204012)
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Keywords | 遺伝子 / 解剖学 / ゲノム / 神経科学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
線虫(C.eleganS)のシナプスタンパク質を同定するために、哺乳類の中枢神経のシナプス、特にグルタミン酸受容体と複合体を形成するタンパク質の線虫ホモログの遺伝子のcDNA単離と発現解析を行った。PSD-95/SAP90ファミリーのタンパク質は線虫では遺伝子が1つだけ存在しており、トランスジェニック線虫を作製してプロモーター解析を行ったところ咽頭、腸および下皮細胞に発現が見られたが、神経系での発現は確認されなかった。S-SCAM/MAGIファミリーは線虫では遺伝子が1つだけ存在し、cDNAの単離により、少なくとも2つのプロモーターが存在し、タンパク質の翻訳開始点が異なる長短2つのアイソフォームが存在することが明らかとなった。また、それぞれのプロモータの発現解析を行い、長い型は頭部の神経細胞のほか咽頭、体壁筋でも発現し、短い型は頭部の神経細胞など発現していた。Shankファミリーの遺伝子は線虫に1つだけ存在し、オルタナティブ・スプライシングにより2つの型ができることが明らかとなった。発現解析により咽頭、陰門、肛門に発現していることが示された。その他、MAGUIN, CRIPT, nArgBP2, p55ファミリーの線虫ホモログのcDNAクローニングとプロモーター解析を行い、MAGUIN, p55ファミリーが神経細胞で発現することを確認した。総じて、哺乳類で神経細胞に共発現してシナプス後部で複合体を形成するこれらの遺伝子が線虫では遺伝子数が1つまたはごく少数であるにも関わらず発現パターンが必ずしも一致しないことが明らかとなった。
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