2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの能動的視覚注意の維持に関与する皮質機能統合の脳磁計・脳電図による解析
Project/Area Number |
13680876
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
浅田 博 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (50151030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 冨美雄 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (50183687)
外池 光雄 産業技術総合研究所, 関西センター・ライフエレクトロニクス研究所, 副ラボ長
福田 淳 大阪大学, 医学系研究科・情報生理, 教授 (90028598)
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Keywords | 自発性瞬目 / シータ律動 / 能動的注意 / 認知的注意 / 脳磁場 / 後頭部皮質活動 / 瞬時暗転刺激 / 中心窩画像 |
Research Abstract |
本年度の研究では、能動的注意の維持状態のとき瞬目抑制と引き替えに生じるFmシータ律動の脳内活動源の解析および能動的注意時の瞬目において見られる皮質活動について明らかにするための研究を行った。 1.能動的注意の脳内機構についての研究(研究発表論文1) 注意集中時に前頭正中部で生じるシータ律動について、前年度まで行ってきた脳磁場研究からさらに脳内電流源について、前部帯状回皮質と前頭前野皮質の経時的な交互作用について明らかにした。 2.能動的注意時の瞬目時の皮質活動(研究発表論文2) 本年度の研究では、まず能動的注意時に生じる瞬目の視覚的継続の皮質活動について明らかにするため、瞬目前の視覚情報および注意と瞬目後の頭頂後頭葉活動との関係について瞬時暗転刺激により出現する皮質活動との比較検討を行った。健常成人男子6名を対象に、画像への注意条件、非注意条件、画像のない条件で生じる瞬目および暗転刺激時の脳磁場計測を行った。 数字列の連続計算という能動的注意を数字画像に対して向けているときの瞬目および暗転刺激で後頭部の有線野および2次、3次視覚野に経時的に皮質活動が出現した。これに対し、数字列を受動的に見ているだけ、あるいは画像そのものが存在しないときの瞬目および暗転刺激では有線野皮質あるいは外側膝状体レベルでの早期の活動自体が消失ないし抑制した。活動源として、光入力再開オン後210ミリ秒の活動では自発性瞬目時の電流源は3名で後頭連合野に推定され、暗転刺激でそのうち2名で瞬目時とほぼ同じ皮質位置に推定された。 これらの結果は、画像に対する瞬目時の能動的注意および中心窩画像の存在の有無の条件差が、瞬目時の瞳孔再開後の磁場反応に影響していることを示す。本研究結果から、中心窩画像に対する能動的注意の有無が外側膝状体および後頭葉皮質の各部で階層的に瞬目時の視覚情報処理過程に関与している可能性が示された。
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Research Products
(2 results)