2002 Fiscal Year Annual Research Report
小鳥歌学習時の誤差信号によって誘導される脳可塑性の分子機構
Project/Area Number |
13680878
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Research Institution | DOKKYO UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
坂口 博信 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (30162291)
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Keywords | ジュウシマツ / キンカチョウ / 歌学習 / 聴覚フィードバック / 歌制御中枢 / 可塑性 / プロテインキナーゼC |
Research Abstract |
1)ジュウシマツ成鳥雄が聴覚入力を遮断されて歌が変化している時は、発声中枢RAで、シナプス可塑性の分子マーカーであるプロテインキナーゼC(PKC)の免疫反応性が一過性に上昇する。このことは、聴覚フィードバック阻害が、ジュウシマツの脳のRAに、PKC発現上昇を伴う神経回路の可塑性を誘導したことを示唆している。このPKCの発現上昇の起源を明らかにするために、学習回路のRAへの最終出力核であるLMANの片側破壊後、聴覚入力を遮断したジュウシマツで、PKCβ1の免疫組織化学を行い、RAでの免疫反応性を破壊側と非破壊側で比較した。その結果、破壊側で免疫反応性の上昇が抑制された。このことは、歌学習回路からの誤差信号によって、PKC発現の誘導が起こるということ強く示唆している。 2)RAをふくむキンカチョウ脳スライス標本を作製し、カルシウム・イメージング法により、LMAN入力の神経伝達物質のグルタミン酸による細胞内Caイオン濃度上昇を観察した。この上昇はNMDAレセプター・アンタゴニストによって大部分抑制された。次に、グルタミン酸刺激後、PKCβ1の免疫組織化学を行ったところ、膜への移動によるPKCの活性化が、観察された。この結果は、RAに可塑性が誘導される初期過程に、NMDAレセプターを介した細胞内Caイオン濃度上昇によるPKCの活性化が関与していることを示唆している(NeuroReport2003)。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Yoshida, T.Yamada, H.Sakaguchi: "Activation of protein kinase C by the error signed train a based ganglia-torebrain circuit in the zebra finch song control nuclei"NeuroReport. 14. 645-649 (2003)