2001 Fiscal Year Annual Research Report
マウスKKIAMREキナーゼの発現制御機構と高次神経機能における役割
Project/Area Number |
13680886
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
五味 浩司 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (90293240)
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Keywords | 瞬目反射学習 / セリン-スレオニンキナーゼ / KKIAMRE / ジーンターゲッティング / 小脳深部核 |
Research Abstract |
(1)マウスの瞬目反射学習系におけるKKIAMREの発現制御についての解析。 C57BL/6Jマウスを用いて、遅延型課題において条件刺激(CS)と無条件刺激(US)をペアにして提示した学習群、CS-USをアンペアにて提示した対照群及びCS-USの非提示群の小脳深部核よりそれぞれ0.5ミリ角程度の領域を採材し、複数個体より組織をプールした後、ABI社製7700機を用いたTaqMan Probe法によってKKIAMREの転写産物を学習の成立過程において定量的に測定した。その結果、ウサギの学習系で認められた転写産物の増加は種を超えてマウスでは保存されていなかった。 (2)KKIAMRE遺伝子変異マウスを用いた瞬目反射学習と発現制御についての解析。 行動様式の可塑的変化におけるKKIAMREの機能的関与について、レポーター遺伝子(LacZ)を翻訳領域に置換挿入したヘテロ接合体を用いて瞬目条件反射学習を行なった。学習の成立に伴ない小脳深部核のニューロンにおいて遺伝子発現が誘導されるか否かについてLacZの発現をモニターすることによって定量的に調べた結果、(1)で得られた結果と同様に、内在性プロモーターによって制御されるLacZの小脳深部核における発現についてもマウスにおいては増強を認めなかった。これらのことは、学習や記憶の過程における全てが種を超えて同様に使われているとは限らないことを示唆している。変異マウスのC57BL/6J系コンジェニック系統の樹立とホモ接合体を用いた条件学習の障害の有無についても現在解析を進めている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Aijima H, Kawano Y, Takagi R, Aita M, Gomi H, Byers MR, Maeda T.: "The exact expression of glial fibrillary acidic protein (GFAP) in trigeminal ganglion and dental pulp"Archives of Histology and Cytology. 64・5. 503-511 (2001)