2002 Fiscal Year Annual Research Report
マウスKKIAMREキナーゼの発現制御機構と高次神経機能における役割
Project/Area Number |
13680886
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
五味 浩司 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (90293240)
|
Keywords | 瞬目反射学習 / セリン-スレオニンキナーゼ / KKIAMRE / ジーンターゲッティング / 小脳深部核 |
Research Abstract |
(1)マウスKKIAMRE遺伝子の発現制御に関する解析。 KKIAMREの発現局在と入力依存性発現制御を明らかにするために、レポーター遺伝子(LacZ)を翻訳領域に置換挿入したヘテロ変異マウスを用いて解析した。脳においてLacZ活性は、種々のニューロンサブタイプにおいて認められ大脳皮質、海馬、視床、扁桃核、赤核あるいは小脳プルキンエ細胞および深部核といった広範囲に渡って検出された。また、生後3日より活性が検出され、生後4週で最大活性を示した。小脳プルキンエ細胞を欠くミュータントマウス、LurcherとKKIAMRE変異マウスとの交配によって、プルキンエ細胞から深部核への抑制性入力を排除した条件下での発現活性を検討した結果、小脳深部核におけるKKIAMREの発現様式に著明な変化は見出されなかった。また、ニューロンの初代培養系においてglutamate, KCl, phorbol ester, あるいはLIFといった初期発現遺伝子の発現誘導をおこす薬剤の作用についても検討したところ、初期発現遺伝子c-fosで認められた発現誘導はKKIAMREにおいて生じなかった。 (2)KKIAMRE遺伝子変異マウスを用いた瞬目反射学習の解析。 行動様式の可塑的変化におけるKKIAMREの機能的関与について、変異マウスのC57BL/6J系コンジェニック系統の樹立を行ない、遺伝子変異ホモ接合体を用いて条件学習および運動協調性の障害の有無について解析した。変異マウスにおいて、ローターロットテストにより四肢の協調と調節機能に障害は認められず、瞬目反射条件学習においても正常マウスと同等の条件反応の獲得を示した。これらの結果から、小脳に関する基本的回路機能および深部核を中心とした記憶形成機構において明らかな異常がないことが明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Tanaka, H., Katoh, A., Oguro, K., Shimazaki, K., Gomi, H.et al.: "Disturbance of hippocampal long-term potentiation after transient ischemia in GFAP deficient mice"Journal of Neuroscience Research. 67・1. 11-20 (2002)
-
[Publications] Ganesh S., Delagado-Escueta A.V., Sakamoto T., Avila M.R., Machado-Salas J., Hoshii Y., Akagi T., Gomi H.et al.: "Targeted disruption of Epm2a gene causes formation of Lafora inclusion bodies, neurodegeneration, ataxia, myoclonus epilepsy and impaired behavioral response in mice"Human Molecular Genetics. 11・11. 1251-1262 (2002)
-
[Publications] Takemura, M., Gomi, H., Colucci-Guyon, E., Itohara, S.: "Protective role of phosphorylation in turnover of glial fibrillary acidic protein in mice"Journal of Neuroscience. 22・16. 6972-6979 (2002)