延髄縫線核GABA及び5-HTニューロンの横隔神経核への下行性伝達系

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13680901
• Research Institution: Sapporo Medical University
• Principal Investigator: 青木 藩 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50001871)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松山 清治 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40209664)
• Keywords: 延髄縫線核 / GABA / 5-HT / 横隔神経核 / 上部頸髄呼吸性ニューロン / 呼吸運動 / ネコ

Research Abstract

本研究は延髄縫線核群より脊髄へ下行するGABA及び5-HTニューロン系の呼吸運動制御に果す役割を明らかにすることを目的としている。前年度までの研究で延髄縫線核から脊髄の横隔神経核(C5レベル)にGABA及び5-HTニューロンが投射している事が裏付けられた。本年度はさらにネコおよびラットを用いた実験研究を進め、縫線核群-脊髄下行伝達系の全体像を明らかにしようとした。
1.縫線核群(大縫線核、淡蒼縫線核)内のGABA、5-HTニューロンが横隔神経核以外にも呼吸運動に関連した部位、即ち胸髄前角の肋間筋支配運動核、頸髄灰白質中間帯外側部、さらに延髄のVRG(腹側呼吸性ニューロン群)及びDRG(背側呼吸性ニューロン群)等へも軸索投射しているか否かについても神経生理学的・免疫組織化学的手法を組み合わせて解析した。その結果、VRGから上部頸髄呼吸性ニューロン及び横隔神経核へ投射するGABAニューロンが観察された。
2.縫線核群から脊髄へ下行性投射をするGABAおよび5-HTニューロンが呼吸関連ニューロンか否かの問題について検討した。そのために微小電極を用いて縫線核内のニューロン活動を記録し、呼吸位相に同期したニューロンから細胞内記録を行い、脊髄の逆向性刺激に応答するニューロン内にHRPをイオントフォレーシスで注入し、その後灌流固定し、凍結切片作製し、免疫組織化学法で二重標識する事により同定した。さらに縫線核群の間での相互の接続の有無についても電気生理学的・免疫組織化学的手法で検討した。

Research Products

• [Publications] Aoki, M., Matsuyama, K., Song G: "Roles of medullary GABAergic and 5HT neurons in respiratory control in cats"Jpn.J.Physiol.. 53・Luppl. S123 (2003)
• [Publications] Aoki, M., Takeda, R.: "Neurotransmitters and modulators in the central respiratory network"Jpn.J.Physiol.. 53・Luppl. S122 (2003)