2002 Fiscal Year Annual Research Report
線条体シナプス終末におけるD2タイプ受容体とカルシウムチャネルの動態解析
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13680904
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Research Institution | Okazaki National Research Institute |
Principal Investigator |
籾山 俊彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (20230055)
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Keywords | 線条体 / アセチルコリン / ドーパミン / D2タイプ受容体 / N型カルシウムチャネル / GABA性抑制性シナプス後電流 / 生後発達 / スライス |
Research Abstract |
生後12-20日齢ラット脳スライスを用いて、線条体のアセチルコリン性介在ニューロンへのGABA性シナプス伝達に対するドーパミンの修飾機構の解析を行なった。アセチルコリン性ニューロンから記録されるGABA性抑制性シナプス後電流は、外液中に投与したドーパミンにより濃度依存的に抑制された。また、ドーパミン受容体アゴニストおよびアンタゴニストを用いた解析、自発性抑制性微少シナプス後電流の解析、さらに、N型およびP/Q型カルシウムチャネルブロッカーを用いた解析を行い、シナプス前D_2タイプ受容体活性化により、N型カルシウムチャネルを通るシナプス前終末へのカルジウム流入が阻害され、GABA遊離が抑制される、という結果を得た。これは、伝達物質遊離を制御するシナプス前ドーパミン受容体と特定のカルシウムチャネルサブタイプとの共役を同定した最初の仕事である(Momiyama & Koga, Journal of physiology,523:479-492,2001)。 最近の報告によれば、いくつかの中枢シナプスでは、生後2-3週までに、N型カルシウムチャネルの関与が消失することが明らかになっている(Iwasaki et al.,2000)。この線条体シナプス伝達において生後発達変化を明らかにするために、生後21-60日のラット脳スライスを用いた解析を行なった。N型チャネルの関与は生後発達とともに減少し、それに伴ってシナプス前D_2型受容体を介する抑制も減弱したが、D_2タイプ受容体とN型チャネルとの共役は保たれたままであった(Momiyama, Journal of Physiology,546:483-490,2003)。これは、中枢シナプス伝達を制御するカルシウムチャネルの生後発達変化を、それを修飾するGタンパク共役型受容体の生後発達と関連づけて解析した最初の仕事である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Momiyama, T., Koga E.: "Dopamine D_2-like receptors selectively block N-type Ca^<2+> channels to reduce GABA release onto rat striatal cholinergic interneurones"Journal of Physiology. 533(2). 479-492 (2001)
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[Publications] Toshihiko Momiyama: "Parallel decrease in ω-conotoxin-sensitive transmission and dopamine induced inhibition at the striatal synapse of developing rats"Journal of Physiology. 546(2). 483-490 (2003)
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[Publications] Kaifu T. et al.: "Osteopetrosis and thalamic hypomyelinosis with synaptic degeneration in DAP12-deficient mice"Journal of Clinical Investigation. 111(3). 323-332 (2003)
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[Publications] 籾山俊彦: "中枢シナプス伝達を制御するカルシウムチャネル"日本薬理学雑誌. 119(4). 235-240 (2002)
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[Publications] 籾山俊彦: "中枢シナプス伝達とカルシウムチャネル"Clinical Neuroscience. 21(2). 226-227 (2003)
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[Publications] 籾山俊彦: "スライスパッチクランプ法を用いた中枢シナプス伝達機構の解析"日本薬理学雑誌. 121(3). 174-180 (2003)
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[Publications] Toshihiko Moniyama: "Catecholamine Research : From Molecular Insights to Clinical Medicine"Kluwer Academic/Plenum Publishers. 558 (2002)