2001 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノミック・インプリンティング遺伝子Peg3の機能解析
Project/Area Number |
13680909
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
幸田 尚 東京工業大学, 遺伝子実験施設, 助手 (60211893)
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Keywords | インプリンティング / Peg3 / two hybrid / 母性行動 |
Research Abstract |
マウスPeg3遺伝子は父親から受け継いだアレルのみが発現するインプリンティング遺伝子である。この遺伝子はC2H2タイプのzinc finger proteinをコードし、マウスの母性行動や細胞のがん化、アポトーシスなどに重要な働きを持っている。 今年度はマウスPeg3をbaitとして用い、酵母のGAL4タンパク質を用いたtwo hybrid systemによりPeg3と結合するタンパク質のスクリーニングを行った。Peg3は全長1571アミノ酸からなる大きなタンパク質であることから、baitは全長を用いるものの他、N末側とC末側のそれぞれ約半分をbaitとするものの3種類を用意した。また、スクリーニングには、特にマウスの母性行動やグリオーマにおけるPeg3の働きを明らかにしてゆくことを念頭に、マウス脳のcDNAライブラリーを用いた。その結果、それぞれのbaitについて4x10^6のクローンのスクリーニングから10の候補遺伝子を得ることが出来た。現在、これらの候補が実際に動物細胞内でPeg3タンパク質と相互作用しているか否かを確認するため、哺乳類の培養細胞内でこれら候補とPeg3を強制発現させ免疫沈降による共沈を指標に検定を行っている。 さらに、Peg3とその結合タンパク質との相互作用がPeg3の細胞内局在に影響を与える可能性を考え、Peg3とGFPとのfusion proteinを発現するプラスミドを構築し、実際このfusion proteinが細胞の核に局在することを確認した。今後、得られたPeg3結合タンパク質とPeg3の細胞内局在もあわせて検討することを計画している。
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