2002 Fiscal Year Annual Research Report
時期特異的な全身性遺伝子発現誘導トランスジェニックマウスシステムの開発
Project/Area Number |
13680912
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大島 正伸 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40324610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 智夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (70322162)
武藤 誠 京都大学, 医学研究科, 教授 (70281714)
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Keywords | トランスジェニックマウス / コンディショナル / テトラサイクリン / ドキシサイクリン / COX-2 / rtTA / TRE / opti-rtTA |
Research Abstract |
遺伝子を全身性に発現させるトランスジェニックマウスでは、発生過程での影響により致死となる場合が多い。本研究では、ドキシサイクリン(DOX)の投与により発現が誘導されるTet-Onシステムを用いて、任意の時期に全身組織で発現誘導されるトランスジェニックマウスの開発を目的とする。目的分子として、プロスタグランジン合成酵素であるCOX-2を用いた。全身性に転写活性のあるプロモーターとしてROSA26遺伝子のプロモーターを用いた。これらの材料を用いて、TRE-COX-2トランスジェニックマウスとROSA26-rtTAトランスジェニックマウスのそれぞれを作製した。TREはDOX存在下でrtTAにより転写活性化されるプロモーターである。それぞれの系統マウスでTRE-COX-2およびROSA26-rtTAが働くかを、2種類のアデノウイルス(Ad-CMV-rtTA、Ad-TRE-LacZ)を用いて検討した。Ad-CMV-rtTAを肝細胞に感染させたTRE-COX-2マウスでは、DOX投与によりCOX-2遺伝子の高い発現誘導が確認された。一方、Ad-TRE-LacZを感染させたROSA26-rtTAマウスでは、DOXを投与しても肝細胞でのLacZ発現は認められなかった。ROSA26-rtTAマウスの肝細胞ではrtTA遺伝子のmRNAが高発現していたので、蛋白翻訳に問題があったと考えられた。実際にrtTA遺伝子のコドン使用頻度は、哺乳類の遺伝子と比較すると大きく異なっていた。そこで、rtTAの全てのコドンを哺乳類化したopti-rtTAを入手し、新たにROSA26-opti-rtTAトランスジェニックマウスを作製した。現在、アデノウイルスを用いた発現実験を行なっており、発現誘導が確認されれば、TRE-COX-2との交配により目的の複合トランスジェニックマウスが作製される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Oshima, M.: "COX-selectivity and animal models for colon cancer"Current Pharmaceutical Desgin. 8巻・12号. 1021-1034 (2002)
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[Publications] Miyoshi, H.: "Gastrointestinal hamartomatous polyposis in Lkb1 heterozygous knockout mice"Cancer Research. 62巻・8号. 2261-2266 (2002)
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[Publications] Nakau, M.: "Hepatocellular carcinoma caused by loss of heterozygosisty in Lkb1 knockout mice"Cancer Research. 62巻・16号. 4549-4553 (2002)
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[Publications] Harada, N.: "Lack of tumorigenesis in the mouse liver after adenovirus-mediated expression of a dominant stable mutant of β-catenin"Cancer Research. 62巻・7号. 1971-1977 (2002)
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[Publications] Seno, H.: "CDX2 expression in the stomach with intestinal metaplasia and intestinal-type cancer : Prognostic implications"International Journal of Oncology. 21巻・4号. 769-774 (2002)
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[Publications] Sonoshita, M.: "Cyclooxygenase-2 expression in fibroblasts and endothelial cells of intestinal polyps"Cancer Research. 62巻・23号. 6846-6849 (2002)