2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680922
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 治雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40005400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 和郎 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (20170665)
星宮 望 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005394)
福元 剛智 東北文化学園大学, 科学技術学部, 助手 (00316449)
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Keywords | 鍼灸治療 / 生体情報計測 / 皮膚の複素インピーダンス軌跡 / 得気 |
Research Abstract |
本研究では、脳波、脈波、血圧、皮膚インピーダンス、皮膚温の各生体情報のなかで、刺鍼の効果が認められる場合に顕著な変化を示す生体情報の特徴およびパターンを各生体情報から抽出した指標により定量化し、鍼治療効果の客観的評価方法を確立することを目的としている。 研究を進めていくうえで、各生体情報から指標を抽出し、それらの変化傾向及び特徴の定量化が必要不可欠である。前年度の研究によって得られた結果をもとに、刺鍼実験を行い、計測する生体情報の選定と抽出する指標の選定に関する検討を行った。刺鍼の効果が認められた場合の各生体情報の変化傾向を要約すると下記のようであった。 ・脳波:鍼刺激直後にθ波帯域のパワーが減少し、α波の周波数変動は白色化。 その後、θ波帯域のパワーが増大、α波の周波数変動が1/f様になる。 ・脈波:刺激直後に波高値は減少し、脈拍は増大する。 その後、波高値は増大し、脈拍は減少する。 ・血圧:顕著な変化は認められなかった。 ・皮膚温:鼻尖部の温度が刺激直後に下降し、その後上昇する。 ・皮膚インピーダンス:刺激直後にインピーダンス軌跡の大きな一過性変動が生じ、その後も一過性変動が頻繁に生ずる。 ここで、実験中の被験者への負担を軽減し、評価を容易に行えるようにするため、上記生体情報のうち、不必要な生体情報を選んだ。まず、血圧については、顕著な変化傾向が認められず、計測も煩雑であるため、評価に有効な生体情報ではないと判断した。また、脈波波高値と鼻尖部温度の変化傾向に相関が認められるため、皮膚温を計測しなくても、脈波を計測すればその波高値から皮膚温にから得られる情報を補えると判断した。 よって、脳波、脈波、皮膚インピーダンスの3つの生体情報を計測して、各生体情報から指標を抽出し、それらの変化傾向を定量化すれば鍼刺激効果の客観的な評価方法を確立につながる知見を得られる可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 神口達也他: "皮膚インピーダンスの多点同時測定における評価パラメータの基礎的検討"電子情報通信学会技術研究報告. MBE2002-65. 5-8 (2002)
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[Publications] 福元剛智他: "精神性発汗に伴う皮膚インピーダンスパラメータの変動解析"第41回日本ME学会大会講演論文集. 478 (2002)
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[Publications] 根本和彦他: "経穴周辺における皮膚の複素インピーダンス解析に関する基礎的検討"第41回日本ME学会大会講演論文集. 427 (2002)
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[Publications] T.Fukumoto, et al.: "Measurements and Analysis of the Skin Impedance Locus around the Acupuncture Points"Proc.12th Nordic Baltic Conf.on Biomed.Eng.and Med.. 208-209 (2002)
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[Publications] 福元剛智他: "皮膚の複素インピーダンス軌跡変化の高時間分解能測定"電気学会論文誌. 122-C. 1433-1440 (2002)
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[Publications] T.Kamiguchi, et al.: "Basic Study for Multiple and Simultaneous Measurement of Skin Impedance loci"平成14年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 13 (2002)