2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13680929
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 志信 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 助教授 (40242218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野川 雅道 金沢大学, 工学部, 助手 (40292445)
山越 憲一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40014310)
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Keywords | 組織酸素代謝量 / 動脈血酸素飽和度 / 静脈血酸素飽和度 / 光拡散方程式 / オキシメトリ |
Research Abstract |
近赤外光を用いた無侵襲血中酸素飽和度計測法(オキシメトリ)として,透過光を用いたパルスオキシメトリ(動脈血酸素飽和度(SaO2)計測法)は,既に幅広く利用されており,さらに反射光を用いた方法は,額・胸部といった様々な部位への適用が可能であることから臨床上さらなる活用が期待されている.しかしながら,パルスオキシメトリによって得られる指標は組織に流入する酸素に関してのみであり,組織の活動に関係する酸素消費といった重要な指標を得ることは出来ない. 以上のことをふまえ,ここでは,組織の酸素代謝量(VO2)計測を行うことを目指し,近赤外光を用いた測定法の開発を行った.組織VO2は組織血流量が既知であれば,生理学な基本原理(フィックの原理)の適用から,対象組織に流入した酸素濃度(動脈系)と流出した酸素濃度(静脈系)の差から求めることが可能となる. そこで,SaO2計測には,一般的なパルスオキシメトリの原理(光電容積信号の脈波成分)を使用し,一方,静脈血酸素飽和度(SvO2)計測には,光電容積信号において,基線の変動分が静脈血の容積変動分に対応しているとした方法に基づいて測定法の実現を行った. 結果として,750/830nmの2波長を用いた反射型光電センサを作成し,ヒトにおける実験的評価を行い,理論的に予想した結果と同様の結果を得た.さらに,前腕や,大腿部において静的な運動負荷中の計測が可能であることも実験的に確認された. また,新たに,血中ヘマトクリット値をヘモグロビンの等吸収点を用いた光電容積信号にて計測する方法を開発し,この方法が開発されたことにより,従来のドップラ血流量計測法などが血球成分の変化量のみを計測していたものが,ヘマトクッリト値を用いて換算することにより,血球成分と血漿成分の合計である全血液量の計測が可能となる.今後は,より精度の高い計測法を目指し改善を行う.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Nogawa, S.Tanaka, K.Yamakoshi: "Development of a non-invasive measurement method of oxygen consumption in the local tissue based on the near-infrared reflectometry"Proceedings of World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering, Sydney. (CD-ROM). (2003)
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[Publications] 南武志, 野川雅道, 田中志信, 山越憲一: "無侵襲組織酸素代謝計測のための動・静脈血酸素飽和度連続計測に関する研究"日本エム・イー学会誌. 第42巻特別号. (2004)
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[Publications] 岸本雄也, 野川雅道, 田中志信, 山越憲一: "光電容積脈波を用いた無侵襲ヘマトクリット計測"日本エム・イー学会誌. 第42巻特別号. (2004)