2001 Fiscal Year Annual Research Report
3D映像で発症する視因性動揺病に重力と視知覚性鉛直が及ぼす作用の研究
| Project/Area Number |
13680938
|
|---|
| Research Institution | Tottori University |
|---|
Principal Investigator |
井須 尚紀 鳥取大学, 工学部, 助教授 (50221073)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 忠昭 鳥取大学, 工学部, 助手 (80196518)
菅田 一博 鳥取大学, 工学部, 教授 (80026020)
|
|---|
| Keywords | 動揺病 / 空間識 / 重力加速度 / 視知覚性鉛直 / 3Dムービー / バーチャルリアリティ |
|---|
| Research Abstract |
3D映画によって没入した仮想空間での空間識や運動感覚が視覚性動揺病の発生に与える効果を検討した。仮想空間内で水平軸まわりに回転し、身体の姿勢が鉛直方向に対して変化するような回転感覚が生じる時の視覚性動揺病強度を、鉛直方向に対する姿勢の変化を感じさせない回転(鉛直軸まわりの回転、および鉛直方向の感覚が生じない仮想空間における回転)の場合と比較した。また、仮想空間における回転(視覚によって受容される回転運動の感覚)の回転軸が身体に対してなす方向によって、発生する視覚性動揺病の強度に差異が見られるかを調べた。
18〜22才の健康な男女18名を被験者とした。上下方向の感覚が生じるようにオブジェクトを配置した仮想空間、および上下方向の感覚を生じさせないように配置した仮想空間をコンピュータグラフィックスによって構築した。仮想空間の中心に観察者を置き、仮想空間に固定した軸まわりに30deg/sで回転させた時に見える空間内風景を映像化した。15種類の3D映像(45秒間)をスクリーン(水平視野96〜120deg,垂直視野45〜65dcg)に投影し、連続する2つの映像間で視覚性動揺病強度の一対比較を被験者に行わせ、Thurstoneの比較判断則に従って距離尺度化した。比較対の組合せは60種類、総試行数は4,893対とした。
観察者が仮想空間の鉛直軸まわりに回転する映像で発生する視覚性動揺病強度は、上下方向のない仮想空間内で回転する映像と有意差がなく、(P>0.4)、水平軸まわりの回転はこれらより強い不快感を誘起した(P<0.01)。また、回転軸が観察者の上下軸に対して大きな角度をなす程、強い不快感を発生させた(P<0.01)。半規管との回転感覚情報の矛盾に併せて耳石器との感覚矛盾が加わり,より.強い視覚性動揺病を発生させたと考えられる。
|
Research Products
(1 results)
