2003 Fiscal Year Annual Research Report
3D映像で発症する視因性動揺病に重力と視知覚性鉛直が及ぼす作用の研究
Project/Area Number |
13680938
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
井須 尚紀 三重大学, 工学部, 教授 (50221073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝井 文人 三重大学, 工学部, 助手 (80324549)
河合 敦夫 三重大学, 工学部, 助教授 (80252336)
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Keywords | 動揺病 / 空間識 / 重力加速度 / 視知覚性鉛直 / 3Dムービー / バーチャルリアルティ |
Research Abstract |
3D映像が作り出す仮想空間への臨場感を変化させ、臨場感の違いによる視覚・平衡感覚問の競合、特に重力方向感覚の強弱・有無が視運動性動揺病の発症に与える影響を検討した。臨場感は視野全体の知覚量に比例し、20deg以下の狭い呈示画角では非常に弱く、100deg近辺以上になると飽和状態になる。そこで、2軸回転カメラステージに2台のビデオカメラを搭載して撮影し、視野角のみを20〜100degの範囲で変化させた映像と、視野角と共に画角を25〜45degの範囲で変化させた映像の、2種類の3D実写映像を製作した。偏光方式を用いて4台のプロジェクタによってスクリーンに投影し、3次元映像として認識できるようにした。20歳前後の健康な男性7名,女性3名の計10名を被験者とし、3D映像を45秒間ずつ与えた。連続する2刺激間で、臨場感、自己運動感覚,不快感の強度を被験者に一対比較させ(scheffeの1対比較法,5段階評価)、Thurstoneの比較判断則に従って視因性動揺病強度を距離尺度化した。視野角が大きくなるのに伴い,臨場感が増し,自己運動感覚も強くなり、不快感(動揺病強度)が増強した。画角を視野角と共に大きくさせた時と、画角を一定に保って視野角のみを変化させた時との間には有意な差がみられなかった。臨場感と不快感には相関係数0.9(視野角のみ変化),0.8(視野角・画角共に変化)の相関があり、概ね線形関係がみられた。また、自己運動感覚と不快感の間には相関係数0.85(視野角),0.82(視野角・画角)の相関がみられた。臨場感が増すと自己運動感覚が強くなり、視覚性動揺病の強度が増すことが示された.
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Research Products
(1 results)