2002 Fiscal Year Annual Research Report
肩腱板の修復・再建に適した吸収性生体材料の検索と開発
Project/Area Number |
13680945
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
青木 光広 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (10159296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 弦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30157747)
岡村 健司 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80264513)
宮本 重範 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (20166200)
山越 憲一 金沢大学, 工学部, 教授 (40014310)
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Keywords | 吸収性生体材料 / ポリ乳酸フェルト / 培養条件 / 生体内移植 / 加水分解 / 肩腱板の再建 / エンテーシスの再建 / 引張り特性 |
Research Abstract |
1.肩腱板の修復・再建に適した吸収性生体材料の製作と生食内培養条件、家兎筋膜上移植条件下での加水分解、および生体内適合性の観察 ポリ乳酸重合体を素材として,太さ20μの細繊維を製作し、その繊維を加工して厚さ2.5mmのフェルトを製作した。(PLLAフェルト:鈴鹿医療科学大学,筏 義人より供与).素材の引張り計測により、PLLAフェルトが肩腱板の再建に十分な抗張力を持つことを確認した。6週、12週の培養あるいは家兎筋膜上移植ではPLLAフェルトの抗張力は減弱しなかった。筋膜上に6週間移植されたPLLAフェルトの人工繊維間隙に線維芽細胞と毛細血管が侵入し,良好な肉芽粗織を形成した。12週ではPLLAフェルト繊維の融解像を認めなかった。以上より,PLLAフェルトの短期での粗織適合性と抗張力が確認され,肩腱板の再建手術に応用可能であると判定された。 2.PLLAフェルトを用いた肩腱板の再建動物モデルと再建結果の観察 ビーグル犬の棘下筋腱に作製した腱板の欠損部をPLLAフェルトで連結し,腱板の再建術を行った。その結果,再建された棘下筋の引張り特性は術後8週で155N(正常腱の約20%),16週で336N(正常腱の約40%)となり、有意に増加した。引張り剛性も同様に増加した。組織学的にはPLLAフェルト繊維周辺を瘢痕組織が取り囲み、異物反応が少なく良好な組織適合性を認めた。しかし、骨との結合部の繊維組織の発育が遅れていた。PLLAフェルト繊維素材の劣化は術後32週で初めて観察され,52週で進行した。 3.以上の結果より、PLLAフェルトは肩腱板の再建術に適した吸収性生体材料であることが明かとなった。PLLAフェルトの吸収性素材としての短所は吸収速度が遅いことであり,今後吸収速度を早めたポリ乳酸・カプロラクトン共重合体による抗張力のあるフェルト素材を開発する必要がある。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 青木光広, ほか: "ポリ-L-乳酸フェルト(PLLA felt)移植により再建された肩腱板の引張り強度と組織反応"肩関節. 27(掲載予定). (2003)
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[Publications] 米田 稔, ほか: "肩腱板再建術に用いられる吸収性生体材料(ポリ-L-乳酸フェルト)の引張強度と組織反応"整スポ会誌. 23(掲載予定). (2003)
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[Publications] Kimura, A., et al.: "Reconstruction of a rotator cuff defect with poly-tetra-fluoro-ethylene felt graft : recovery of tensile strength and histocompatibilility in animal models"J. Bone Joint Surg.. 85B(in press). (2003)
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[Publications] 木村明彦, ほか: "PTFE feltの骨溝内移植に伴う組織反応と材料の劣化:偏光および暗視野顕微鏡像による観察"肩関節. 27(掲載予定). (2003)
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[Publications] 青木光広, ほか: "腱板縫合および再建術の縫合部破断張力:動物モデルを用いた解析"日本臨床バイオメカニクス学会誌. 23. 35-40 (2002)
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[Publications] 加賀谷圭子, ほか: "新鮮および凍結棘下筋腱の骨腱縫合部引張強度の回復"日本臨床バイオメカにクス学会誌. 23. 41-46 (2002)
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[Publications] 青木光広, ほか: "腱板縫合および再建術の縫合部機械特性"北海道リハビリ. 30. 49-54 (2002)
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[Publications] 加賀谷圭子, ほか: "修復健板の初期概械特性の検討:immediate repairとdelayed repairの比較(第2報)"肩関節. 26. 203-206 (2002)
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[Publications] 瀧内敏朗, ほか: "上腕骨大結節におけるスーチャーアンカーの引き抜き強度-骨孔への縫合との比較"肩関節. 26. 477-480 (2002)
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[Publications] Oguma H, et al.: "Early anchoring collagen fibers at the bone-tendon Interface are conducted by woven bone formation : light microscope and scanning electron microscope observation using a canin model"J Orthop Res. 19. 873-880 (2001)
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[Publications] Aoki M, et al.: "Fibrous connection to bone after immediate repair of the canine infraspinatus : The most effective bony surface for tendon attachment"J Shoulder Elbow Surg. 10. 123-128 (2001)
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[Publications] 加賀谷圭子ほか: "修復腱板の初期機械特性:immediate repairとdelayed repairの比較"肩関節. 25. 203-206 (2001)