2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 浩之 北海道大学, 文学研究科, 助教授 (60322773)
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Keywords | 出土資料 / 竹簡 / 帛書 / 周易 / 帰蔵 / 卜筮 / 国際情報交換 / 中国 |
Research Abstract |
本年度の研究実績として、主に三回の研究報告を行った。 1「王家台秦簡『帰蔵』与阜陽漢簡『周易』」、周易与科学文化2001年国際学術研討会(於北京・西山飯店、2001年4月24日〜26日)、分組学術報告、同26日 2「竹簡帛書『周易』研究」、長沙三国呉簡曁百年来簡帛発現与研究国際学術研討会(於長沙・湖南賓館、2001年8月16日〜19日)、分組学術交流、同17日 3「簡帛易の卜辞と筮辞」、日本中国学会第五十三回大会(於福岡大学、2001年10月6日〜7日)、同7日 上記の研究報告を通して、或いはその後の考察で、明らかになったことは次の通りである。 王家台秦簡『帰蔵』の占筮の術語「枚占」は、『左伝』昭公十二年の「枚筮」に相当し、算籌で以て(数取りによって)占うという意味である(但し「謀占」の可能性もある)。なお、『左伝』哀公十七年の「枚卜」は、本来「枚占」だったものが「枚卜」と書き改められた可能性がある。 「枚占」とは即ち「筮」であから、王家台秦簡『帰蔵』は先に卜を記し、後に筮を記す。それに対して、阜陽漢簡『周易』は先に筮を記し、後に卜を記す。但し、両者は、卜と筮とを説く順序は異なるが、包山楚墓出土卜筮祭祷簡に見えるような卜筮併用の伝統的慣習を襲っている点では共通している。 さらに阜陽漢簡『周易』の構造の検討を進めてみると、ほぼ『史記』亀策列伝と共通する卜辞及び記述形式が、『周易』卦爻辞の下に附加されていることがわかる。この事実は、卜筮併用から発展した卜筮代用(卦画や卦爻辞が卜兆や卜辞の代用となること)の状況を示していると考えられる。次年度は、この考察の詳細を論文に纏める予定である。
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