2001 Fiscal Year Annual Research Report
近現代のグラフィックデザインにおける伝統的イメージの引用に関する研究
Project/Area Number |
13710020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 仁人 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 講師 (10243122)
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Keywords | ポスター / 印刷技法 / 諧調表現 / 戦時中 / 日本的 / サイケデリック / 色彩 |
Research Abstract |
まず、明治維新以後今日にいたるまでの日本におけるポスターの流れの全体像を把握することを目指した。しかし当然のことながら西洋のポスターとの因果関係を押さえる必要から、結局、世界のポスターも平行して調査を進めるかたちになった。 本学の美術工芸資料館における明治以後のポスターの調査を進める一方、ポスターの掲載された資料を収集し、そこに表現されたイメージの分類、印刷技法や紙質についての検討を試みた。 とくに、今回の研究においては伝統的イメージとしての「諧調表現」に着目し、その用いられ方、表現の特質および由来、原画作成技法ならびに製版・印刷技法の研究をし、そのポスターの伝達内容と「諧調表現」との関連性について考察を進めた。 そして今年度は、1.戦時中のポスターにおける諧調表現と2.サイケデリック・ポスターにおける諧調表現という2つのテーマに絞り、本研究をまとめることとした。 1.においてはこれまで注目されることのなかった日本の戦時下のポスターを取り上げ、諧調表現の果たした役割を明確にすることができた。 2.では日本における60年代のポスターを取り上げるに先立ち、アメリカおよびイギリスのサイケデリック・ポスターにおける諧調表現に注目し、当時の社会情勢や、ポスターのもつメッセージと諧調表現との関係を明らかにした。
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Research Products
(2 results)