2001 Fiscal Year Annual Research Report
青年の対人的交渉方略の発達を促す教育・介入法に関する研究〜社会性を育てる教育的実践の試み〜
Project/Area Number |
13710065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長峰 伸治 金沢大学, 教育学部, 助教授 (50303574)
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Keywords | 社会性(社会的スキル)の発達 / 教育的実践 / 教育・介入方法の検討 / ロールプレイ / 他者からのフィールドバック / 他者理解 / 共感能力 / 予備実践 |
Research Abstract |
本年度、本研究に関して実施したことは、1)対人的交渉方略の発達を促進するための、効果的な教育・介入方法の内容についての検討、2) 1)を踏まえた上での教育・介入方法の予備実践の実施(大学生を対象)の2点であった。 1)では、対人的交渉方略に関連した社会性(社会的スキル)の発達を促進する教育的実践に関する文献の調査、および、同様の教育実践に関する学会発表やワークショップヘの参加などを通じて、教育・介入方法の内容などの検討を行った。前者では、主として日本において幼児・児童を対象にして行なわれた実践(思いやりの育成プログラムなど)について調べ、教育・介入方法の手順、内容、効果を検討した。後者では、「ピアサポート」や「ピアカウンセリング技能」などの社会性(社会的スキル)に関して、実際に子ども達に教育・介入を行なっている専門家の発表やワークショップにて、その実践の内容や技術について専門家に直接話を聞き、指導を受けた。これらの検討から、(1)対人的交渉方略などの社会性の習得においては、対人関係の中で、相手の気持ちに対して理解しようとする態度や共感する能力の獲得が重要であること、また、(2)教育・介入法の内容においては、「ロールプレイ」と「他者からのフィードバック」が重要であることがわかった。 2)では、1)で検討したことを基に、実際の教育・介入を行なうための準備段階として、大学生を対象に教育実践の予備的な試行を行なった。1)での検討で、教育・介入において重要と思われる「ロールプレイ」と「他者からのフィードバック」について、研究実施者が指導者となって、実際に大学生に実践を行なって、これら2側面による効果や体験について大学生自身の内省報告を基に考察をした。そこで、対人関係において他者を理解し、共感する能力の習得に、これら2側面が重要な効果を及ぼすことが明らかになった。(以上について考察した論文は現時点で投稿準備中)
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