2001 Fiscal Year Annual Research Report
青年期の子育て心性に関する研究-虐待的行動との関連から-
Project/Area Number |
13710070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
天貝 由美子 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (00314443)
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Keywords | 青年 / 子育て / 虐待的行動 |
Research Abstract |
前年度より引き続き行っている「母親のストレスと虐待的行動との関係」のアンケート調査を完了し、その一部について学会発表を行った(平成13年度教育心理学会大会)。これまでの分析から得られた特徴的な結果としては、母親の不適切な養育態度(虐待的行動)の頻度を出産年齢毎に検討したところ、10代で出産した回答者の頻度が他の年齢段階(20代〜40代)と比べ、有意に高かったこと等があげられる。ストレスとの関係からみると、周囲からのサポートが得られないといった環境要因によるものだけでなく、"子育てのために犠牲になるのはイヤだという不満や、育児の不適切さと適切さの判断がつかずにいらだってしまうような、「親になること」の理解と納得が(感情と知識の両面で)乏しいことがもとになっているように思われる。しかし10代のサンプル数が他と比べて少ないため、現在は、個別ケース毎の、自由記述を含めながらの、再分析を進めているところである。またこれまでに得られた結果については、投稿論文として執筆を進めている。 上記の調査結果からも、青年期の子育て心性を虐待的行動との関連の点から明らかにするには、若者の親になることへの意識について、より詳細に調べる必要があると考えられた。また、前述の調査は女性のみを対象としたものであったため、父親となる前段階の男子生徒・学生も加え、検討を進めていくことが重要であると思われた。 そこで、現在は、「若者の考える『親になること』」について、中学生・高校生・大学生・社会人の男女それぞれを対象にアンケート調査を行っている。ここでは、"結婚"と"親になること"("子どもをもつこと")について、各々に対する意識やイメージ、両者の異同等につき、具体的に検討している。この結果については、平成14年度に学会発表を予定しており、その準備も並行して進めている。
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