2001 Fiscal Year Annual Research Report
児童生徒の「キレやすさ」と「学校嫌い」に関する実証的研究
Project/Area Number |
13710077
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
藤井 義久 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (60305258)
|
Keywords | キレやすさ / 学校嫌い / 項目分析 / 因子分析 / 妥当性 |
Research Abstract |
本研究は、児童生徒を対象にして、年々深刻化している「キレやすさ」と「学校嫌い」との関連性について検討することを目的としている。本年度は、その予備的研究として、大学生を対象にして、未だ存在していなかった「学校嫌い尺度」を開発し、「学校嫌い」の因子構造を解明するとともに、「学校嫌い」と「怒り水準」との関連性について分析することにした。調査対象者は、大学1年生162名(男子80名、女子82名)であった。まず、自由記述調査によって学校嫌いを生み出す場面に関する40項目を収集し、項目分析及び因子分析によって「友達」(8項目)、「教師」(8項目)、「怠学」(8項目)という3つの下位尺度、計24項目から成る「学校嫌い尺度」を開発した。そして、学校嫌い得点は、女子の方が男子よりも有意に高いことが明らかになった。また、本尺度の妥当性を検討するために、学校嫌い得点と、小・中・高校別の欠席日数及び不登校傾向との関連性について分散分析によって調べた結果、小学校における欠席日数及び不登校傾向が強いほど、学校嫌い得点が有意に高い傾向が認められた。このことから、本尺度は、小学校時代の学校嫌い傾向を予測するのにより適している言うことができる。さらに、学校嫌い得点と怒り得点との相関係数を算出したところ、.59という高い正の値を得た。このことから、「学校嫌い」と「怒り水準」とには、密接な関連のあることが明らかになった。 本研究をもとに、次年度は、児童生徒の「キレやすさ」と「学校嫌い」との関連性について、様々な環境要因を考慮に入れながら分析するとともに、それらの問題を解決するための方策について様々な角度から検討していきたいと考えている。
|
Research Products
(2 results)