2001 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・サポート授受の互恵性が対人感情及び精神的健康に及ぼす効果の縦断的分析
Project/Area Number |
13710094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
福岡 欣治 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 講師 (80310556)
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Keywords | ソーシャル・サポート / 互恵性 / 対人感情 / 精神的健康 / 継続的研究 / 対人行動 / 社会心理学 / 健康心理学 |
Research Abstract |
本研究の基本的な目的は、従来のサポート関係の互恵性に関する研究の問題点を改善しさらに発展させることである。とりわけ、日常的な社会的相互作用におけるソーシャル・サポート過程の分析と結びつけることにより、サポート授受への期待と実際のサポートのやりとりおよびその互恵性がいかにして心身の健康に影響しうるのかというメカニズムへの考察をより前進させることを目指す。具体的には、個々の指標の精緻化とともに1週間ないしより短期間での測定の繰り返しによる縦断的な検討をおこない、認知レベルと実行レベル双方のサポート授受とその互恵性、サポートに関する認知レベルの期待と実行レベルとしての実際の授受とのズレが対人感惰およびより全般的な生活感惰ないし精神的健康状態に及ぼす影響を検討する。 平成13年度における研究の目標は、サポート関係の互恵性とその影響に関する縦断的調査に耐える調査票の構成であった。具体的には、認知レベルとしてのサポートの入手可能性と提供可能性、実行レベルとしての実際のサポート入手と提供、日常生活経験とサポートのニーズ、対人感惰、さらにより全般的な生活感情ないし精神的健康度の指標を構成することを目指した。そこで、まず私自身の従来の研究をふまえつつ先行研究の補足的なレビューをおこなった上で、自由記述を中心とする第一次の予備調査を、6〜7月と9〜10月にかけて実施した。これは、先述の各指標とりわけ特にサポートの入手および提供に関する項目作成の基礎資料を得ることであった。これらのデータを検討し整理した上で予備的な調査票を構成し、12月には第二次の予備調査として、比較的大規模なサンプルによる回答状況のチェックと統計的観点からの項目の検討をおこなった。ここではサポート授受とともに対人感情および生活感情、精神的健康度の指標に関する検討も含めた。さらに、1〜2月にかけて第三次の予備調査を実施した。これは計2週間にわたる短期の縦断的調査であり、各種指標の確認・再検討のために実施した。そして、これらのデータを分析し、次年度の本調査に向けた調査票の構成をおこなった。
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