2001 Fiscal Year Annual Research Report
就業環境において女性ソーシャルワーカーが被るセクシャルハラスメントの実態把握
Project/Area Number |
13710116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
橋本 美枝子 大分大学, 教育福祉科学部, 講師 (90315309)
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Keywords | セクシュアル・ハラスメント / ソーシャルワーカー / 実態調査 / 事業主配慮義務 / 教育・訓練 / 対処スキル / 被害体験 |
Research Abstract |
本調査は、クライアント(CL)から性的対象とみなされ、スタッフからの助けが得られないとの女性ソーシャルワーカー(SW)の訴えに端を発する。単にCLの行動を問題視するのではなく、SWとしてCLの逸脱行動をアセスメントし、適切に対処するための援助技術を獲得するための教育・訓練とともに、就業環境やSWを取り囲む支援体制の整備が不可欠である。セクシュアル・ハラスメント(以下セクハラ)は労働者の能力発揮を阻害する。セクハラ予防はSWを守るとともにCLよりよい援助を提供する上で重要である。平成11年4月「職場におけるセクハラ防止のための配慮義務」が事業主に課せられ、一般企業の労働者を対象とした調査は実施されているが、SWに対する調査はなされていない。 そこで、SWの就労環境・セクハラの実態を把握し、労働者として当然守られるべき安全な就労環境を整備するための提言を行うとともに、今後、現職者・学生の教育・訓練プログラムの開発、対処スキルを獲得するのための教授法、教材開発をするための基礎資料とすることを目的に平成14年2月、日本アルコール関連問題ソーシャルワーカー協会(ASW)の会員を対象に質問紙票による実態調査(郵送法)を行った.Maypole(1986)の調査では男性SWの14%が被害体験していたこと、また、被害者数、内容、心身・仕事への影響などの性差を比較するためにも、両性に対して実施した。 調査票は、国内のセクハラ実態調査、英・米における援助職者のセクハラ・クライエントからの暴力被害に関する調査をもとにを作成した。調査内容は、対象者の属性、現在の就労環境(事業主配慮義務の実施状況、職員の男女比、男女の対等性、職員の支援体制など)、セクハラに関する教育・訓練の経験、被害体験である。さらに、被害体験があると回答した者には、加害者との関係・対応・結果、心身、仕事への影響などについて調査した。
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