2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710122
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
増田 公香 聖学院大学, 人文学部, 講師 (60316776)
|
Keywords | 肢体不自由者 / 加齢 / 社会参加 |
Research Abstract |
平成13年度の研究実績としては次の2項目を実施しその結果以下の点が明確になった。 1.先天的あるいは乳幼児期から肢体不自由を持つ人々の追跡調査 日本肢体不自由児協会1991〜1992年にかけて実施した生活実態調査の追跡調査を実施し、9年間にわたる機能変化及び社会参加の実態把握を行った。具体的方法としては、1991年に回答した441名全員に研究の趣旨を送付し承諾を得られた180名に対しアンケート調査を郵送にて実施した。評価方法としては、機能変化に関しては1991年に実施されたものと同様のものを用いその変化を見、又社会参加に関しては、CIQ (Community Integration Questionnaires)とR-CHART (Revised Craig Handicap Assessment and Reporting Technique)を用いた。その結果以2点が明らかとなった。1)障害程度が重度な対象者はADLの機能変化がほとんど見られず又ADLの機能変化の中で「外を歩き回る」「部屋の中の移動」「食事能力」は機能低下が見られ統計的にも有意であったが、「着替え」「トイレ」に関してはほとんど変化がなくt-検定の結果統計的に有意ではなかった。2)社会参加に関しては、障害の種別により大きな相違が見られた。対象者の障害の種別については、脳性麻痺・脊髄損傷・ポリオ・カリエス・その他であったが、CIQとR-CHARTを用いた社会参加度の評価結果は、ポリオが最も高く次にカリエス、脳性麻痺と続いており脊髄損傷は最も低かった。 2.全国レベルによる加齢する肢体不自由者の社会参加の実態把握 30歳以上の日本全国3300人の肢体不自由者(内訳:脊髄損傷障害者1000名・リウマチ700名・脳性麻痺500名・ポリオ1100名)に対し郵送調査にて、ADL機能レベルに関してはFIMを又社会参加に関してはCIQとR-CHARTを用いさらに主観的満足に関してはPGCモラールスケールを用いて評価測定を行った。その結果、1656名からの回答を得られた(回収率50.2%)。結果より次のことが判明した。1)社会参加に関しては障害の種別により大きく差異がみられる。2)社会参加と主観的満足度は比例する。本年度の研究実績としては以上2項目が明らかとなった。 尚平成13年度に実施予定していた社会参加の尺度開発に関しては、新たなる障害概念であるICFの発表及びそれに引き続くICFのチェックリストの発表が大幅に遅れたため実施できなかった。よって次年度に実施する予定である。
|