2001 Fiscal Year Annual Research Report
異文化間における広告情報の受容過程に関する実証的研究
Project/Area Number |
13710126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
是永 論 立教大学, 社会学部, 助教授 (50275468)
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Keywords | 広告 / 異文化コミュニケーション / 会話分析 / オーディエンス研究 / 国際化 / マス・コミュニケーション / 言説分析 / 映像分析 |
Research Abstract |
特定の商品サービスの購買を訴求する広告という情報が、映像の形式において、異なった文化圏の間でどれだけ一定の共通性もしくは相違点を持っているかを資料から内容分析するとともに、それぞれの文化圏における受け手がいかなる形でその映像から「広告」という一定の経験を構成しているかについて、実際に異文化圏の広告を視聴した上での視聴経験についての語りをディスコースとして対象化し、それを会話分析の手法で相互行為論的に分析することを目的とする。 初年度の研究として、映像広告資料の収集と分析を行なうとともに、分析に基づいて次年度に行なう視聴実験用のサンプルを選択して加工した。映像資料は韓国を対象に、インターネット放送およびインターネット上のデータベースに登録されているものから選択して収集した。 広告をコミュニケーション文脈として解析するという本研究の目的から、インターネット上での公開情報のほか、制作サイド側の事情について調査を行なうことで広告が構成される文脈の外面的な状況を明らかにした。以上の過程を通じて、収集された資料については、視聴実験において適切な内容が再生されるように資料内容を加工した。 一定に加工された広告資料を、一定した環境で被験者に提示する形式で、視聴実験を三グループに対して試験的に行なった。視聴実験に際しては、複数で視聴する場合を設定し、視聴状況を統制する以外は、特定の質問や回答状況を設定しない上で、視聴内容について自由に語ってもらう形式をとり、それらをビデオカメラで撮影し、トランスクリプトを作成した。作成されたトランスクリプトを元に、会話分析の手法から、広告の視聴文脈の構成過程について分析を行なった。 以上の結果から、広告内容を構成する文脈に関して、通文化的な傾向が認められたほか、視聴者によるその視聴文脈の構成においても、日常の相互行為的な方略が利用されていることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)