2001 Fiscal Year Annual Research Report
「低開発」悪循環モデルの検証-コルシカの地域開発を中心にして-
Project/Area Number |
13710137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
定松 文 広島国際学院大学, 現代社会学部, 講師 (40282892)
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Keywords | 低開発 / 地域文化 / 地域開発 / コルシカ |
Research Abstract |
平成11年度に検討した開発をめぐる地域研究の分析視座をもとに、経済指標上で「低開発」地域と定義されているフランスのコルシカ地域を対象として、社会学、文科人類学、及び経済学における「低開発」の概念について調べ、現在フランスのなかの経済的、社会的地位及びEUのなかでの経済的、政治的地位について予備的調査を実施した。 具体的には、まず、概念の整理として、地域研究において近年開発主体として注目されている「地域」あるいは「主体性」の概念について、「地域研究におれる文化の位相」として論文にまとめた。そこでは、政府主導型の地域開発から、地域主導型の開発への歴史的変遷を縦軸に、グローバリゼイションのなかの地域主体として「場の個性」とも呼ばれる地域独自の文化が地域の活性化のかぎを握るとともに、常に資本主義社会の中心との関係性での「周辺」に位置しなければならないジレンマを指摘した。 次に、コルシカに関する資料収集、及び予備調査として2001年9月に10日間現地での聞き取り調査を実施した。そこでは、文献及びデータ収集だけでなく、コルシカに在住する作家、教員、公務員、ワイン製造業者など主に就労者を中心に、コルシカの文化・言語、経済状況と解決策について意見を聞き、これらの予備調査のコーディネートと補助を現地に在住するフランス人に委託した。さらに、この予備調査に関しては日仏社会学会大会にて発表し、来年度発行予定の学会誌へ投稿すべく原稿を執筆中である。
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Research Products
(1 results)