2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shigakukan University |
Principal Investigator |
近藤 諭 志學館大学, 文学部, 講師 (60301694)
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Keywords | 地場産業 / 焼酎醸造業 / 地方都市 / 社会学 / 近代化 / グローバル化 |
Research Abstract |
申請による研究期間は平成13年度から14年度のため、本報告書における実績は平成13年度のものに限定される。 本年度は鹿児島県に根付いている地場産業である焼酎醸造業の生き残り策の実状を探る目的で、ヒアリングによる聞き取り調査を行ってきた。ヒアリングには先方の許可を得て録音機器(科研申請備品)を用い、おおむね1時間ほどを費やした。 研究の背景は、申請書類で記載したように、地場産業を取り巻く近代化(グローバル化)の中で、具体的には酒税の上昇に伴う値上げと廃棄物の海洋投棄禁止措置による売り上げ減やコストアップによる各企業の対応状況を探ることであった。 本年度実施した調査結果の概要は以下の通りである。 1.資料より鹿児島の焼酎醸造業が抱える問題をリストアップする 2.次年度実施予定の質問紙調査に向けての予備調査をかねたヒアリングを実施 3.ヒアリングで得られた実際の課題や問題点を反映させた質問紙の作成 本年度は2.の項目において特に力を注ぎ、離島部や小規模の企業に焦点を絞って調査を実施した。現時点でのヒアリングで得られた見解は以下の通りである。 1.酒税上昇による売り上げ減は明確にあらわれるほどのものではなかった。 2.離島部では人口流出による消費の伸び悩みが深刻になりつつある。 3.産業廃棄物(「焼酎かす」)の海洋投棄禁止措置については影響を受ける醸造所とそうでない醸造所に分かれる。 3-1「焼酎かす」はどの醸造所でも行われていたわけではなく、特に離島部では牧場で引き取ってもらったり(飼料化)や肥料として使用されたり(肥料化)などの処理手法がかつてから採られていた。 以上の見解から鹿児島の焼酎醸造業を取り巻く問題を析出する枠組において、マクロ・ミクロ的な要因を切り分ける知見を得ることができた。
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