2001 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアの自律的学校経営におけるアカウンタビリティー確保に関する研究
Project/Area Number |
13710143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 博志 筑波大学, 教育学系, 講師 (80323228)
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Keywords | オーストラリア / 自律的学校経営 / アカウンタビリティー |
Research Abstract |
今年度の研究によって次の3つの新たな知見が得られた。1.オーストラリアのアカウンタビリティー制度は,教育課程政策,ベンチマーク,後期中等教育終了資格試験を基準としている。この基準の下,各学校は3年間の学校経営計画を示したチャーターを策定する。チャーターが実施されたかどうかは,学校評価によってチェックされ,アカウンタビリティーが確保される。なお,管理職の賞与・身分および教員の昇給は,各個人の業績に対する評価をもとに,決定される。2.公立学校の校長に対する意識調査によると,アカウンタビリティー制度に対する肯定的な意見が多い。また,学校経営の事例研究では,学校自己評価の結果が外部評価によって改善され,外部評価の勧告が新しいチャーターに組み込まれていることが明らかになった。3.アカウンタビリティー制度が,学校に受け入れられる条件として次の5点があげられる。(1)教育課程編成,人事・財政の運営に関して,学校へ権限を委譲することが不可欠である。(2)校長の責任が,5年任期制によって明確化されていることが不可欠である。(3)外部評価の役割が,学校自己評価報告書の妥当性の検討・確認および学校自己評価の改善とされていることが,きわめて重要である。(4)外部評価者は,教育経営に関する専門的知識と経験を持った人物であってこそ,学校からの信頼を獲得できる。(5)主要教科学力や進学実績を尺度とした学校ランキングの形成が規制され,学校に対する評価や父母の学校選択尺度の一元化が回避されていることが重要である。
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Research Products
(1 results)