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2001 Fiscal Year Annual Research Report

中世唱導に関する基礎的研究-講会における【詞】とそれを伝える文献の伝播をめぐる学侶の活動について-

Research Project

Project/Area Number 13710261
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

大島 薫  関西大学, 文学部, 助教授 (50319604)

Keywords安居院澄憲 / 説法 / 宝物集 / 法華経釈 / 法華八講 / 経釈 / 白楽天 / 文殊
Research Abstract

本年度は論文一編と、全国学会における口頭発表において、研究成果を問うている。
具体的には法会において表白された,<説法詞>の構造を明らかにし、さらには日本の古典文学史において、これまで「説話集」と認定されてきた作品を取り上げ、たんに「説話」を類聚した文献として編纂されたのでなく、説法において経典の解釈を提示した<経釈>の構造を内包していることを指摘した。これは文学作品として認定されてきた文献が、説法の場で機能するべく編纂されたことを証するものである。文学という概念において分類するべき作品であるかどうか疑問を呈するとともに、現在の研究が「文学」「宗教」と分けて行われているために見過ごしてきた、いわば日本の古典文学史の孕む重要な問題を提示するものである(仏教文学会大会「『宝物集』の構想-「薩摩国の島を出て」のことなど」、2001年6月3日於大谷大学)。また、<説法詞>のなかでも、安居院澄憲が草した「法華経品釈」の読解と、<説法詞>が文学へ与えた影響を述べるために、白楽天が渡海して日本にやってきたことを記した説話の形成について考察した「海を渡る白楽天-海龍教化説をめぐって」(『国文学』82号、関西大学国文学会)をまとめた。
また、今年度の成菩提院における聖教調査では『悟抄』と称される<説法詞>を類聚した文献を発見した。安居院聖覚が編纂した、安居院流の代表的な<説法詞>集である『言泉集』や、内閣文庫に所蔵される『金玉要集』に匹敵する文献であるとともに、『悟抄』自体も安居院流の<説法詞>集と確認できる。安居院流の説法が、テクスト化されて諸流に伝えられ、ひろく説法のひな形とされていたことを証明する一因となる文献である。来年度はこの読解をすすめ、さらに説法の構造と、テクスト化された安居院流の<説法詞>集の流布について明らかにしたい。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 大島薫: "海を渡る白楽天-海龍教化説をめぐって"国文学. 82. 7-19 (2001)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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