2001 Fiscal Year Annual Research Report
論理演算子的表現の形態的・統語的特徴と作用域の決定に関わる諸原理の考察
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13710275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
本間 伸輔 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (40242391)
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Keywords | 生成文法 / 数量詞 / 統語論 |
Research Abstract |
平成13年4月から10月にかけ、本研究に関わる文献と言語データの収集と観察、および準備的な分析を行った。さらに,11月から平成14年2月にかけて生成文法理論の観点から、新たに収集、発掘したデータを含めた全ての関連データの洗い直し、考察を行い、問題点を整理し、分析方法の検討を行った。これまでの過程で得られた知見・成果は次のとおりである。 (1) 数量詞句の主題的役割・統語的派生と作用域特性の関連性について新たな知見を得た。具体的には,他動詞構文の「経験者」主語の統語的派生がその作用域特性にも反映していることが分かった。この点に関してまとめた論文を所属学部の紀要(平成14年3月刊行予定)に投稿,掲載予定である。さらにこの論文の結論を含む別の論文を執筆中である。 (2)数量詞句の作用域特性と可視統語部門における移動可能性との平行性に関する新たな知見を得た。(1)日本語などに見られるscramblingのうちA移動とされる移動と,補文内の数量詞句の上位節への作用域の可能性との平行性,および(2)英語における補文内の数量詞句の上位節への作用域の可能性とフランス語における可視統語部門での数量詞(tout/tous)移動の可能性との平行性がわかった。これについては,主に記述面に関してまとめた論文を制作中であり,並行して形態・統語的素性に言及した原理的な説明法を検討中である。 (3) (2)に関連して,否定対極表現の認可可能性と可視統語部門における移動可能性との平行性に関する新たな知見を得た。上位節にA移動scramblingが可能な補文の種類と,主節に否定がある場合否定対極表現の生起を許す補文の種類に類似性が認められた。これに関してさらにデータを整え・形態・統語的素性に言及した原理的な説明法を検討中である。
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Research Products
(1 results)