2001 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカン・ペーパーバック出版史に関する実証的研究
Project/Area Number |
13710278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
尾崎 俊介 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (30242887)
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Keywords | アメリカン・ペーパーバック / ドロップアウト小説 / ペーパーバック版文芸誌 / ハーレクイン・ロマンス |
Research Abstract |
平成13年度は、1940〜50年代にかけてのアメリカのペーパーバック産業の実態を、社会的背景も含めた上で実証的に明らかにすることを研究目標としたが、このため、8月1日より4週間、カリフォルニア大学ロサンゼルス校に赴き、集中的に資料収集を行なった。 今回は特に1950年代に焦点を絞って調査を行なったのだが、その結果、この時期アメリカで大流行した「ドロップアウト小説」群の普及にペーパーバックというメディアが大きく関与していたこと、さらに正統的な文学史に記述される「ビート・ジェネレーション」の作家達の創作活動も、大局的にみればこの「ドロップアウト小説」の流行の一端と考えられることなどを、資料に基づいて明らかにすることができた。また同じ時期にアメリカのペーパーバック出版社各社から出版され始めた「ペーパーバック版文芸誌」についても調査を行ない、一方では大衆的なメディアと見なされているペーパーバックが、他方では新進作家の育成や世界文学の普及に大きな役割を果たしていたことも明らかにすることができた。これらの調査結果については、既に調査済みの部分と合わせて、(株)研究社出版より『紙表紙の誘惑アメリカン・ペーパーバック・ラビリンス(仮題)』として平成14年4月に出版する予定である。 またこれとは別に、1960年代から1970年代にかけて流行したペーパーバック叢書である「ハーレクイン叢書」についても調査を開始し、この叢書がそれまで男性の専有物と思われがちだったペーパーバック市場を女性に開放するのに大きな役割を果たしたことを明らかにしつつある。この調査に関しては平成14年度も引き続き行ない、その結果をまとめたものを年度内に出版される論文集に掲載する予定である。
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Research Products
(1 results)