2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya Sangyo University |
Principal Investigator |
中川 直志 名古屋産業大学, 環境情報ビジネス学部, 講師 (70321015)
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Keywords | tough構文 / 空演算子 / 非特定性 / ミニマリストプログラム / 古英語 / NP移動 / 不定詞節 / vP |
Research Abstract |
本研究においては生成文法理論の枠組みの中で、tough構文の派生と構造について、共時的視点と通時的視点の両面から調査しているが、その成果の一部はEnglish Linguistics誌(Nakagawa(2001)"Bare vP Analysis of the Infinitival Clause in OE : Historical Development of Tough Constructions,"English Linguistics 18-2,507-535)と名古屋産業大学研究紀要(Nakagawa(2002)"Further Evidence for the Deletion of the OP in Tough Constructions,"『名古屋産業大学論集2号』)に掲載ないし掲載予定である。Nakagawa(2002)においてはNakagawa(2000)(Nakagawa(2000)"On the nature of the Null 0perator in Tough Constructions,"English Linguistics 17-2,276-304)において提案されたtough構文の派生に関する分析に対する更なる証拠を提示した。Tough構文と遊離数量詞の共起関係は空演算子が裸名詞句であることを示す。また、空演算子の不可視性、wh島の効果、最弱交差現象は空演算子が指示的に非特定的であることを示している。これらの事実はtough構文のLF表示における空演算子削除分析を支持する。また、同分析は空演算子の不可視性に対する原理的説明を可能にする。Nakagawa(2001)においてはtough構文の歴史的発達を概観しつつ、古英語の不定詞節がvPであると主張した。古英語においては、tough構文はNP移動(すなわちA移動)によって派生される。しかしながら、これはtough構文が受動化によって派生されることを意味しているのではない。すると、古英語のtough構文は空NPの[Spec, vP]へのA移動によって派生されると考えるのが自然である。この仮説の一つの帰結として、不定詞節がCPではなくvPであるということが挙げられるが、この仮説は古英語の不定詞節全般に見られる現象からも支持される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naoshi Nakagawa: "Bare vP Analysis of the Infinitival Clause in 0E : Historical Development of Tough Constructions"English Linguistics. 18巻・2号. 507-535 (2001)
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[Publications] Naoshi Nakagawa: "Further Evidence for the Deletion of the OP in Tough Constructions"名古屋産業大学論集2号. 2号. (2002)