2001 Fiscal Year Annual Research Report
動詞の情報量が古英語散文の語順に与える影響に関する統計を用いた実証研究
Project/Area Number |
13710288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
岡崎 久美子 宮城工業高等専門学校, 総合科学系文科, 助教授 (70290690)
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Keywords | 古英語(Old English) / 語順(word order) / 他動性(Transitivity) / 文末重点の原理(the end-weight principle) / 文末重点の原理(the end-focus principle) / 情報構造(information structure) / 統計 |
Research Abstract |
本研究では、動詞が古英語散文の語順決定の一要因である可能性について考察した。古英語散文の語順を決定する要因のひとつは動詞であるという仮説を立て、それを文末焦点の原理および文末重点の原理に基づき検証した。両原理によれば、動詞が軽いときには主語の後に、重いときには文末や文頭などの位置に現れると推測される。 調査では、状態・非状態動詞の分類を非状態動詞の分析に応用し、非状態動詞を含む節内にも動詞による語順の違いがあるかを調査した。動詞の情報量という考え方を導入した上で、動詞の重さをHopper and Thompson(1980)の主張する他動性を用いて表現し、各資料の語順分布状況を分析した。分析にあたっては、言語データを処理するのにもっともふさわしい統計処理の方法を検討し、結果を総合的に考察した。 調査の結果、以下の点が明らかになった。(1)語順決定要因として動詞を調査する方法としては、先行研究におけるよりも本調査における方法のほうがより有効である。(2)古英語散文においては動詞によって語順に差がある。その差は状態動詞・非状態動詞間にとどまるものではなく、非状態動詞内にも連続して存在するものである。(3)資料によって使用される動詞の性質に違いがある。また、動詞の情報量と語順との関係は、特定の分野の資料に限定されるものではなく古英語散文に広く見られる。(4)他動性を構成する構成要素においても語順との関係が認められる。(5)言語データの分析にふさわしい統計処理のあり方は、データの収集方法や用例数、分布の状況などを検討して、言語使用状況にあった方法を選択することが必要である。また、母集団や標本の決定に際しては先行研究の成果を活かしテキストの個別性に配慮することが必要である。統計処理をすることにより、動詞の使用状況の各テキストに共通の特徴のみならず、テキストの成立年代やジャンルなどの違いによるテキストの個別性も明らかとなった。 よって、動詞は古英語散文における語順決定要因のひとつであり、語順の多様性や変化を説明する手がかりとなると言える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松尾秀樹, 千葉元信, 岡崎久美子: "創造的な教材開発をめざして How to be creative in English textbook editing"全国高等専門学校英語教育学会第25回研究大会要綱. 3-3 (2001)
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[Publications] 松尾秀樹, 千葉元信, 岡崎久美子: "創造的な教材開発をめざして How to be creative in English textbook editing"全国高等専門学校英語教育学会研究論集. 第21号. 1-10 (2002)