2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13710292
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 愼 千葉大学, 外国語センター, 助教授 (50236593)
|
Keywords | トピック / 主題構造 / テクスト言語学 / ドイツ語統語論 / 機能統語論 / 日独対照言語学 |
Research Abstract |
本研究では、トピック(主題)が,日独双方のテクストにおいてどのようにコード化され,展開されているかについての研究を行った. その際,それぞれの言語の文の構造記述をトピック(主題)という観点から捉え直すという作業が出発点となった.従来の研究において,文構造の記述は,ほとんど全ての言語理論において多かれ少なかれ主語-述語構造をその基礎として想定され,様々な文法現象はこの構造のうちに説明されているが,本研究では,「テクストから見た文」という観点から文を捉えなおし,文の産出のプロセスとしての主題の役割を重視したのである.この結果,日独双方のトピック現象を統一的に捉えなおす手段として,「トピックのマージ(融合)による文の生成」という文モデルがされた.トピックを文中の特定の要素(動詞によって選択制限を受けた要素)からの取り出しによって派生するという従来的な考え方から,先行文脈,場面文脈などの文の外から与えられているものと想定したのである. 引き続き,この文モデルに従って,日本語,ドイツ語のテクスト構成を見直す作業が行われた.その結果,日本語,ドイツ語で相異なるテクスト構成ストラテジーが確認され,その記述が試みられた. 本研究の成果は,平成13年度,平成14年度にわたり日本およびヨーロッパにおいて研究発表され,学術論文の形でまとめられた.これらを通してなされた議論を踏まえて,現在,より改善された「テクストという枠組みで産出される文」のモデルについての研究を行っている.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Shin TANAKA: "Zu Hause wird nicht gearbeitet! : das impersonale Passiv im Deutschen"Japanische Gesellschaft fur Germanistik (Hg.) Grammatische Kategorien aus sprachhistorischer und typologischer Perspektive. 127-141 (2002)
-
[Publications] Shin TANAKA: "Im Anfang ist das Topik -Topik-Merge : Generierung des Nicht-Argument-Topiks-"Japanische Gesellschaft fur Germanistik (Hg.) Probleme des Interface zwischen Syntax, Semantik und Pragmatik. (未定). (2003)
-
[Publications] Shin TANAKA: "Can't buy me love : eine Kombinatorik von Subjekt und Topik im Deutschen"Sammelband des 36. Linguistischen Kolloquiums (Peter Lang). (未定). (2003)
-
[Publications] Shin TANAKA: "Topik-Merge und Topikprogression"言語文化論叢(千葉大学外国語センター). 12(未定). (2003)
-
[Publications] Tomoaki SEINO, Shin TANAKA: "The "passive"voice in Japanese and German : argument reduction and argument extension"Sammelband zum Workshop "Operations on Argument Structure-Focus on Japanese and German". (未定). (2003)