2001 Fiscal Year Annual Research Report
数量的データに基づいた日本手話音節の適格性条件に関する研究
Project/Area Number |
13710314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
原 大介 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (00329822)
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Keywords | 手話 / 音節 / 適格性 / データベース / 数量化 |
Research Abstract |
1.進行状況:(1)日本聾唖連盟日本手話研究所編・米川明彦監修『日本語-手話辞典』(ISBN:4915675513:1997-06-15出版)内に現れる語(音節)を片手手話(タイプ0)、両手同型手話(タイプ1、タイプ2)、両手異型手話(タイプ3)に分類した。各々の手話の語(音節)について、手型要素、位置要素、動き要素に分解・抽出し、抽出されたそれぞれの要素を記号化し、表形式に記録・保存する作業を行っている。また同時に、語(音節)が表出する際に、利き手が非利き手または身体へ接触するかどうかに関しても記録している。「手話辞典」の掲載分の約半分に関して、上記の作業を終了している。 2.知見(1):上記の作業が終了するまでは正確な統計的結果は得られないが、作業が終了したところまでのデータを分析した結果、タイプ3の語(音節)では両手接触が伴う、タイプ3の語(音節)では、位置要素としてニュートラルスペースが用いられる、タイプ3の語(音節)では、左右どちらかの手型としてB手型が選択される等の結果が得られている。 知見(2):適格な語(音節)と不適格な語(音節)にどのような差異が見られるかを明らかにすることが本研究の目的のひとつである。この目的を遂行するために、上記1で得られたデータをどのような方法で分析するかに関して理論的検討を行った。その結果、情報理論で用いられている自己情報量の概念を用いて語(音節)の持つ情報量を表すことにより、適格・不適格な語(音節)の差異を表すことができるという知見を得た。 3.今後の計画:上記1の記録・保存作業を終了しデータベースを完成させる。データベースに基づき、各手型、位置、動き要素の自己情報量を求める。さらに、これらの自己情報量から語(音節)が持つ自己情報量を算出し、適格・不適格な語(音節)の差異を求める作業を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 原 大介: "手話言語の音素配列論にかかわる問題点およびその克服"信学技報. 101・703. 19-24 (2002)
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[Publications] 原 大介, 宮原麻衣子, 芳仲愛子: "日本手話音節の適格性条件に関する研究"日本手話学会第27回大会予稿集. 12-15 (2001)