2001 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル化社会におけるデータベースの法的保護のあり方
Project/Area Number |
13720028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蘆立 順美 東北大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (60282092)
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Keywords | 著作権 / データベース / 創作投資 / 不正競争 |
Research Abstract |
従来研究を進めてきた著作権法のよるデータベースの保護に関して、近時公表された学説(創設的規定説)を分析し、その妥当性について検討を行った。同説は、著作権法によるデータベース体系の保護の可能性を示唆するものであるが、同法による保護を付与した場合に生じる過保護の危険性について、侵害成立の要件、および、保護期間の2点において十分な回避策を構築し得ないことが明らかとなった。この検討の内容については、13年度春季著作権法学会において報告を行った。 以上の分析に加え、アメリカ著作権法におけるデータベース保護に関わる裁判例と学説を検討し、それとの比較からも上記の結論が支持されることを示した。この内容については平成13年度著作権情報センター主催の講演会において発表した。 また、著作権保護が不十分であるために、データベース開発のインセンティブが阻害される危険性が生じていることに対し、著作権法以外の保護の可能性についての検討を進めた。まず、不法行為に基づく保護を認めたわが国の中間判決の分析を行った。これにより、現在の法制度のもとでは不法行為によって救済を図ることが可能であること、しかし、要件の不明確性や差止めが認められないなどの問題点から、より適切な保護制度として新規立法の必要性があることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)