2002 Fiscal Year Annual Research Report
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13720031
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
隅蔵 康一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80302793)
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Keywords | 再生医療 / 特許 / 技術移転 / 知的財産 / 生命倫理 / ベンチャー企業 / クローン技術 / ES細胞 |
Research Abstract |
ヒトES細胞は誰のものか、という課題を考えるとき、第一に、「それは細胞の提供者のものなのか、研究者側のものなのか」という問題をクリアしなくてはならない。人体由来のサンプルを扱うのであるから、提供者の尊厳やプライバシーには配慮する必要があるのはもちろんである。しかし、研究者の手によって、生のサンプルと比べて研究ツールとしての価値が高められた細胞株は、人体由来のものとはいえ、研究者側に所有権が帰属すると考えるべきである。日本の民法246条のもこの考え方を支持している。 次なる問題として、研究成果として生み出された細胞株が、研究者個人に帰属するのか、研究機関に帰属するのか、複数機関共同研究の場合はどうなるか、という問題がある。これについて、日本や米国の現行のプラクティスを概観した。 その上で、1998年にヒトES細胞の作成に世界で初めて成功したウィスコンシン大学の事例を調査分析した。ウィスコンシン大学マディソン校にはWARF(Wisconsin Alumni Research Foundation)という技術移転機関がある。ES細胞の特許はこの機関によって出願され、米国などで権利化されている。この研究に資金を提供したジェロン社は、WARFから、ヒトES細胞に関する特許の商業的利用についての独占的ライセンスを供与されていたが、契約条件をめぐってWARFとの間に訴訟が勃発した。2002年1月に両者は和解に達し、新たな契約が結ばれた。大学などの非営利の研究機関に対する特許のライセンスとマテリアルの供与は、WARFの子会社であるWiCell Research Institute, Inc.が行っている。 この事例をもとに、大学と産業界の望ましい連携のあり方、研究の規制と特許制度との関係、マテリアル・トランスファー契約の活用策と問題点、といった論点について、検討を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 隅藏康一: "タンパク質立体構造解析成果への特許付与のあり方"IIP研究論集6 バイオテクノロジーの進歩と特許. 143-169 (2002)
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[Publications] 隅藏康一: "構造プロテオミクスと特許"蛋白質核酸酵素. 47巻. 967-972 (2002)
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[Publications] 隅藏康一: "米国における明細書の記載要件"A.I.P.P.I.. 47巻. 806-811 (2002)
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[Publications] 隅藏康一: "生命科学と知的財産"学術月報. 56巻. 41-44 (2003)
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[Publications] 隅藏康一: "先端科学技術における特許プールの活用(下)-バイオ分野の特許プール-"BIO INDUSTRY. 20巻2号. 42-52 (2003)
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[Publications] 隅藏康一: "ゲノムビジネスと遺伝子特許"日本の科学者. 38巻. 144-149 (2003)
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[Publications] 隅藏康一: "これからの生命科学研究者のためのバイオ特許入門講座"羊土社. 213 (2003)