2002 Fiscal Year Annual Research Report
近現代中国外交の構造的解明〜中国外交档案に依拠した仮説提示の試み〜
Project/Area Number |
13720053
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川島 真 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90301861)
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Keywords | 中国外交史 / 中国外交文書 / 中国の外交官 / 中国の近代外交 / 中華民国外交史 / 戦後中国外交史 / 中国の対外文化政策 / 東アジア史料基盤整備 |
Research Abstract |
筆者は、博士論文『中華民国前期外交史研究』(東京大学、2000年)でおこなった議論を、時系列的、また内容的に深め、一方でそこでのデータを公開していくことを企図し、以下のテーマで研究をおこなった。 1.清末から戦前期にかけての中国政治外交史研究 中国の存立基盤、またそこにおける正当性、秩序のありかたについて、「外交」という切り口から論じた。具体的には、まず清末中国の日本の位置づけ、および日本の出現による対外関係の調整についてまとめた。次に、清末から民国期の中国が朝鮮半島に「租界」を有していたという事実を示し、そこから中国の対アジア・旧朝貢圏外交を考察した。 2.政治外交史的観点から見た「文化」の史的表象・価値 中国・東アジアの近代における政治的な「文化建設」および外交的場面での「文化交流」というテーマに取り組み始め、東アジアのラジオメディア史や中国政府による文化建設史、日中間の文化摩擦(特に戦前期の教科書摩擦)などをおこなった。ここから中国における対外文化交流、文化外交について発展させていきたいと考えている。 3.戦後東アジア外交史 1940-60年代の日台中関係を中心とした東アジア外交史を日本や台湾の外交文書を利用しながらおこない、中華民国の戦後対日政策、特に戦後補償部分についてまとめた。 4.日本のアジア研究、アジアの日本研究 戦前戦後日本のアジア研究、あるいはアジアの日本研究のありかたが、外交史研究の先行研究にも強く反映しているとの観点に基づき、その構造的解明を試み、その一端を公刊することができた。 5.東アジアにおける史料基盤整備 東アジアにおいて史料を共有できる空間をつくるべく、中華民国賠償委員会档案の目録作成作集をおこない、さまざまなセッション企画を通じて、データベースの作成や技術協力などを内外各方面で摸索した。外交档案に関するデーターについては、今後何かしらのプロジェクトを得て、公共財にしていきたいと考えている。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 川島真: "民国前期外交與商会的初歩探討"『城市史研究』<特刊・20世紀華北城市近代化>. 21輯. 273-283 (2002)
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[Publications] 川島真: "第一次大戦後の国際政治と中華民国北京政府外交-石井ランシング協定および日英同盟への対応をめぐって"比較史・比較歴史教育研究会編『帝国主義の時代と現在 -東アジアとの対話-』 未来社. 56-68 (2002)
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[Publications] 川島真: "近代『文化』都市北京の建設とその風景"アジア遊学. 40号. 146-155 (2002)
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[Publications] 川島真: "『南満洲』の解釈可能性-対華二一箇条交渉における議論の中で"アジア遊学. 44号. 55-68 (2002)
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[Publications] 川島真: "朝鮮半島の中国租界撤廃をめぐる中日交渉"横山宏章・久保亨・川島真編著「周辺から見た20世紀中国』、中国書店. (所収). 91-108 (2002)
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[Publications] 川島真: "アジアから見た『アジア』、『地域』、そして『周辺』-東アジアの歴史学界の断層面"横山宏章・久保亨・川島真編著「周辺から見た20世紀中国』、中国書店. (所収). 281-296 (2002)
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[Publications] 川島真: "台湾の日本研究"アジア遊学. 48号. 164-169 (2003)
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[Publications] 川島真: "江戸末期の対中使節への新視角-総理衙門档案からの問い"中国研究月報. (掲載予定).
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[Publications] 横山横山宏章, 久保亨, 川島真編著: "周辺から見た20世記中国-日・韓・台・港・中の対話-"中国書店. 343 (2002)
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[Publications] 別枝行夫, 貴志俊彦, 川島真編: "台湾・国史館典蔵行政院賠償委員会档案目録"島根県立大学(平成13〜16年度科学研究補助金、研究成果中間報告書). 275 (2002)