2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13730023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
黒住 英司 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 講師 (00332643)
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Keywords | 構造変化 / 単位根 / 長期従属性 / 一変量時系列 / 仮説検定 |
Research Abstract |
本年度は、一変量時系列モデルに関する構造変化に焦点を絞り、研究を進めた。先行研究のサーベイ調査の結果、単位根の構造変化に関する研究が未開拓分野であることが判明、これに関する検定方式の導出を試みた。すなわち、定常モデルから単位根モデル、もしくはその逆方向への構造変化の検定を分析したのである。AR(1)モデルで考えれば、ARパラメータが1から1未満の値に、もしくは、その逆方向へ変化を検出する検定統計量の導出を行った。このようなパラメータの変化は、見かけ上、定数項・トレンドのシフトに似ており、このような構造変化の検定方法の導出は非常に有用であると考えられる。 具体的には、AR(p)モデルを想定した上で、上記仮説に対するLM検定統計量を導出し、帰無仮説及び局所対立仮説下での漸近分布を求めた。また、有限標本特性に関しては、行列演算言語ソフトGaussを用いて分析を行った。その結果、"demeand version"と呼ばれる検定統計量が、望ましい有限標本特性を持つことが判明した。また、日本のマクロ経済データの分析を行ったところ、為替レートは単位根過程から定常過程へ、また、失業率はトレンド定常過程から単位根過程へ変化している疑いがあることが分かった。これらの結果は、"Detection of Structural Change in Long-Run Persistence in a Univariate Time Series"という表題の論文にまとめられ、現在、海外雑誌に投稿中である。
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